自動車の荷室の収納力をアップさせる棚作りから、軽トラライフが何倍も楽しくなるキャンパーシェルまで、今すぐ真似したくなるような、自作の荷台活用アイデアが勢ぞろい。愛車が最強のキャンピングカーとなるDIYカスタム術が学べます!
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後部ハッチは跳ね上げ式。扉を軽い力で持ち上げられるようにガススプリングをステーとして使用 01 単管パイプで組んだ架台に載せ、スタンドジャッキを回してリフトアップ 02 床下収納箱がぴったり収まる位置まで軽トラをバックさせたらリフトダウン。架台を解体したら積載完了 01 屋根の骨組みに使う材を用意する。2×材を重ねアール状の内型を作り、スギの野地板4枚をクランプで締めウレタンボンドで接着曲木 02 屋根パネル作り。手順01で作ったアール状の野地板を割いてフレームの横架材に使う。外枠は2×4材。写真はフレームに3㎜厚合板を張ったところ。さらに、換気口部分を切り欠き、フレームの間にスタイロフォームを入れたら合板を張る 03 側面の壁作り。角材でフレームを組み、あとは屋根作りと同様に作業を進め、2セット作る 04 キャンピングカー用のスライド窓の窓枠を作る。スライド窓の曲面に合わせてスギ板で製作 05 前面の壁作り。キャビン後部の窓と同じサイズの窓と、換気口を取り付けている 06 後部ハッチ作り。前面と同様に大きな窓をつけ、ロック付きドアノブと取っ手を装着 07 床フレームは、アオリに載せられるように設計。縦向きの材は、床板兼床下収納のフタが収まるよう、断面をL形または凸形に切り欠いている 08 床パネルの上に壁パネルを立てる。壁同士はマルチアングルでつなぎ、トリミングでカバーする 09 床下収納の箱作り。2×材と合板で組み立て、荷台と接地する底面にはサイディング材、その他には水や摩耗に強いクッションフロアを張った シェルの後部ハッチのオレンジ色がアクセントになっている。固定は荷締めベルトのみだが、シェルの床下収納箱は荷台に収まっているのでずれることはないそうだ シェルのサイズは幅1430×奥行2110×高さ1550mm。室内では寝る・座ることができればよかったのでコンパクトに収めた(室内高1400mm) 屋根上には換気口とソーラーパネル(100W2枚)が見える。室内照明、炊飯器、PC、iPadの使用の電力が十分賄えているそう シェル内部。右側のあいている部分にマットを敷いて寝る コルクシートを張った床パネルは取り外しができ、床下収納として活用できる 就寝時、運転席側の窓はコルクシートのパネル、それ以外の窓にはスタイロフォームをはめている。スタイロフォームには銀マットを張ることで、より効果的に外からの光が遮られるそう 普段はシェル内部の壁面に立てかけている シェルにはハシゴを引っかけて乗り降りする。アズサ(カバノキ科。ミズメとも呼ばれる)の木で製作 簡易シンクの横にはカセットコンロ台が。木材で組んで表面にステンレス板を張った 10Lの水が入るタンクと、漬物用のバケツ&ステンレスボウルで作った簡易シンク デッドスペースになりがちな頭上も収納に活用。奥には太陽光発電の充電コントローラがあり、バッテリーは床下に収納している 床パネルを立てて天板を置けば、キャビネットが掘りごたつのようなテーブルに早変わり! 走行中、引き出しが勝手に開かないように、奥にネオジウム磁石を取り付けているのもポイント キャビネットの天板にはピアノ蝶番を取り付け、天板全体が開くようにしている
File01 水対策バッチリ!荷台にスッポリはまるDIYシェルは機能が充実
シェルの後部ハッチのオレンジ色がアクセントになっている。固定は荷締めベルトのみだが、シェルの床下収納箱は荷台に収まっているのでずれることはないそうだ
シェルのサイズは幅1430×奥行2110×高さ1550mm。室内では寝る・座ることができればよかったのでコンパクトに収めた(室内高1400mm)
<DATA>
製作者…Wさん(65歳/DIY歴45年)
ベース車…スバル・サンバートラック(5MT・セレクティブAWD)
製作費用…改造を繰り返しているので不明
製作期間…約3カ月〜完成未定
屋根上には換気口とソーラーパネル(100W2枚)が見える。室内照明、炊飯器、PC、iPadの使用の電力が十分賄えているそう
後部ハッチは跳ね上げ式。扉を軽い力で持ち上げられるようにガススプリングをステーとして使用
これまで、荷台に1人用のテントを張った「1号機」、3枚重ねにしたスタイロフォームをカプセルのように三角に組んだ「2号機」で、たびたび軽トラの荷台泊にチャレンジしていたWさん。だが、どれも使い勝手は良いとは言えなかったので、2015年の秋頃から本格的なシェル作りに着手した。
荷台には普段、大工道具や草刈り機などを積んでいたため、3号機はアオリの上に載せるタイプに。壁は角材で組んだフレームにスタイロフォーム(30mm厚)を入れ、両面に合板(3mm厚)を張り、2×4工法のようにパネルにして組み立てた。屋根はさらにルーフィングを巻き付け、アルミ板を見切り材として使用。「軽トラキャンピングカー自作の難点は水対策に尽きる」と話すWさんは、継ぎ目のコーキングは念入りにし、外壁はベランダや屋上に使う防水塗料を塗り、1液水性ウレタン塗料で化粧。屋根は平らだと水が溜まりそうで嫌だったのでアーチ状にしたそうだ(後述参照)。
その後は、ベンチレーターの取り付け、多機能なキャビネットの設置、荷台部分があいたため床下に収納箱をつけるなど、改良を繰り返したことで居住性がアップ。現在は「3号機改」として、Wさんの旅のお供に活躍している。
シェル内部。右側のあいている部分にマットを敷いて寝る
コルクシートを張った床パネルは取り外しができ、床下収納として活用できる
就寝時、運転席側の窓はコルクシートのパネル、それ以外の窓にはスタイロフォームをはめている。スタイロフォームには銀マットを張ることで、より効果的に外からの光が遮られるそう
シェルにはハシゴを引っかけて乗り降りする。アズサ(カバノキ科。ミズメとも呼ばれる)の木で製作
普段はシェル内部の壁面に立てかけている
キャビネットの天板にはピアノ蝶番を取り付け、天板全体が開くようにしている
床パネルを立てて天板を置けば、キャビネットが掘りごたつのようなテーブルに早変わり!
走行中、引き出しが勝手に開かないように、奥にネオジウム磁石を取り付けているのもポイント
10Lの水が入るタンクと、漬物用のバケツ&ステンレスボウルで作った簡易シンク
簡易シンクの横にはカセットコンロ台が。木材で組んで表面にステンレス板を張った
デッドスペースになりがちな頭上も収納に活用。奥には太陽光発電の充電コントローラがあり、バッテリーは床下に収納している
シェルの積み降ろし方法
積み降ろしには単管パイプで組んだ架台を使用。両側のアオリを開いてシェル本体の床下に単管パイプを渡したら、架台のスタンドジャッキを回してリフトアップし、軽トラを出し入れする。
01 単管パイプで組んだ架台に載せ、スタンドジャッキを回してリフトアップ 02 床下収納箱がぴったり収まる位置まで軽トラをバックさせたらリフトダウン。架台を解体したら積載完了
Wさんのキャンピングシェル製作ダイジェスト
Wさんの木工スキルが光るシェル本体の製作を大公開!
01 屋根の骨組みに使う材を用意する。2×材を重ねアール状の内型を作り、スギの野地板4枚をクランプで締めウレタンボンドで接着曲木 02 屋根パネル作り。手順01で作ったアール状の野地板を割いてフレームの横架材に使う。外枠は2×4材。写真はフレームに3㎜厚合板を張ったところ。さらに、換気口部分を切り欠き、フレームの間にスタイロフォームを入れたら合板を張る 03 側面の壁作り。角材でフレームを組み、あとは屋根作りと同様に作業を進め、2セット作る 04 キャンピングカー用のスライド窓の窓枠を作る。スライド窓の曲面に合わせてスギ板で製作 05 前面の壁作り。キャビン後部の窓と同じサイズの窓と、換気口を取り付けている 06 後部ハッチ作り。前面と同様に大きな窓をつけ、ロック付きドアノブと取っ手を装着 07 床フレームは、アオリに載せられるように設計。縦向きの材は、床板兼床下収納のフタが収まるよう、断面をL形または凸形に切り欠いている 08 床パネルの上に壁パネルを立てる。壁同士はマルチアングルでつなぎ、トリミングでカバーする 09 床下収納の箱作り。2×材と合板で組み立て、荷台と接地する底面にはサイディング材、その他には水や摩耗に強いクッションフロアを張った *掲載データは2017年2月時のものです。