ビス打ちはもちろん、ビスの下穴をあけたり、丸棒を通す穴あけなど、ドライバーとしてもドリルとしても活躍、作品の組み立てにかかわる作業の中心的存在になるのがこの電動工具。
DIY木工に劇的な変化をもたらした! ドライバードリル
ドライバードリルの普及によって、それまでの材の木部同士で組む継ぎ手や、カナヅチとクギで組み立てるという方法が、広くビスを使った組み立てに変化したといわれる。現在ではDIYからプロの木工作家まで、作品の組み立てはドライバードリルやインパクトドライバーを使ったビス打ちによるのが一般的となるほど広く普及している。
ドライバードリルはモーターの力で、先端に装着する先端工具(ビットと呼ぶドライバーやドリルのこと)を素早く強力に回転させてビスを締めたり、穴をあけたりできる。
ドライバードリルは電源に家庭用100Vを使うモデルと、充電式の電池を使うコードレスのモデルがある。本体には締め付け力やスピードを調節するスイッチがあり、材の硬さやビスの締め込み具合、ドリルの回転スピードなどをかなり細かく調節できる。
同じ仕事をする電動工具には、次に紹介するインパクトドライバーがあるが、基本的な使い分けとしては長さ50mm以下のビスを多用し、細かなパワー調節が必要な家具作りにはドライバードリル、長さ60mm以上のビスを多用し、多くのビスを連続打ちするウッドデッキなど、エクステリアの作品づくりにはインパクトドライバーが向いているといわれる。
ドライバードリルでは工具の先端にあるチャックと呼ばれる口金にくわえるビットを交換することで、1台のドライバードリルで、いろいろなドライバーやドリルとして使うことができる。
ビットの交換は、工具先端のチャックを必要な口径にゆるめ、ビットを口金の底まで差し込み、チャックを締めてビットを固定すればいい。
作業はビス頭や墨線をビットの先端で真っすぐに押さえたら、トリガースイッチを引き、ビットを真っすぐに押し込んでいく。ドライバードリルを保持する力が弱い女性などは、写真のように、片方の手でドライバードリルを後ろから押すように手を添えるといい。
<ビットの装着とビス打ちの例>
ボール盤はドリル用据え置き式工具
写真の工具はボール盤と呼ばれる据え置き式電動工具。ドリルビットを取り付けて、穴あけ、座ぐりに使われる。加工する材は、定盤と呼ぶ台の上に置かれ、レバーの操作で、ビットのついたチャックが下に下がってきて材に穴をあける。精度の高いポールで支えられているため、芯が振れることなく穴をあけることができる。DIY用の卓上ボール盤ならば、ドライバードリルより価格が安いものもあるので、家具作りの穴あけ専用として工房に設置すると便利だ。
写真◎高島宏幸
*掲載データは2011年12月時のものです。