今回は、なかなか見ることのできないプロの木工家が仕事場にしている工房を紹介。工房の構造から外装を本職の大工が作り、内装はDIYで作るハーフビルドと呼ばれる方法で作られている。
<記事内ギャラリー>
<DATA>
施主…Oさん(39歳・木工家)、Kさん(44歳・会社員)
DIY歴…7年(Kさん)、プロ10年(Oさん)
製作費用…約900万円
実働製作期間…2008年から進行中
面積…60㎡
家具作りの合間に内装作業もコツコツ進行中
家具作りの工房として基礎から外装、サッシ、シャッターまで、つまり鍵を掛けて戸締りできるところまで大工に建ててもらい、木工房として使いながら、作り残している内装は自分たちで製作している。
ここを仕事場としているOさんは注文家具の作家さん。国産無垢材にこだわったやさしいカーブを生かしたデザインや、植物油、自家製蜜蠟ワックスを使う環境に配慮した仕上げの作品で、ひとつひとつをていねいに作るため、いつも順番待ちの状態という評判の家具作家だ。音の関係で自宅では作品づくりのための電動工具を動かすことができないので、自宅から通いが可能な場所に土地を求め、この工房が建てられた。
工房は間口約5.4m。奥行き約7.28mで、100V電源のほかに、三相200Vの電源も引かれ、大型の電動工具にも対応できるようになっている。ギャラリーとして造られた工房奥にはトイレやシャワー、キッチンも完備し、長時間じっくりと作品づくりに取り組める環境も整備した。
内装作業は写真でご覧のとおり目線が通る高さまでは、ほぼ完成している。これからは脚立が必要な高い場所に取り掛かりたいということだ。平日は注文家具作りに追われるOさん、週末などを選んで夫のKさんと共同作業で、少しずつ作業を進めている。まだ時間がかかることはわかっているので、素材選びもじっくりと吟味しながら、こつこつと満足のできる内装作りを楽しんでいきたいということだ。
写真◎高島宏幸
*掲載データは2013年8月時のものです。