チェンソーといえば、イメージされるのはエンジンを動力としたモデルだが、今回紹介するのは、充電式バッテリーを電源とする電動チェンソー。
電源がバッテリーなので、一般的な電動チェンソーのように、コードを引き回す必要がなく、屋外でも軽快に使うことができる。
長い丸太をきれいに玉切りする少し上級の切り方
長さのある丸太を玉切りしていると、切っている途中で材の重さで丸太が折れて落ちてしまうことがある。これを防ぐには、玉切りの途中からガイドバーの上側を使って、丸太を下から上に切るという方法を使う。
丸太を馬に載せて固定したら、切り方は下のイラストAのように丸太に(1)~(4)の部分を設定し、まず普通に上から(1)まで切る。次にキックバックしないよう気をつけながら上から(2)を切る。イラストBのようにガイドバーの先端上部(キックバック危険ゾーン)が材に当たるとキックバックしてチェンソーが自分の方に飛んでくるので、十分に集中して作業する。
(3)の部分はソーチェンの上側を使って下から上に切る。チェンソーの上側のスパイクを丸太に当て支点として切ると安定した作業ができる。(4)の部分は(3)から連続した動きで切り上げる。このときガイドバーの先端は必ず丸太の向こう側に出し、ガイドバー先端の上部が丸太に当たらない、キックバックしない体勢で切ること。
<丸太を割らない玉切りテクニック>
ガーデンリビング作りに使える小技テクニック
ここでは径10cm程度の丸太を杭に加工して、その杭に看板の板を付けるための溝を掘る。
丸太を杭にするには、丸太の片方の端を尖らす加工が必要。これは馬に固定した丸太の左右2面を斜めに切り取り、90度回転させてまた左右2面を斜めに切ればいい。切る度に安全に切れる位置に、その都度足場を決めることと、スパイクが使いづらいので、チェンソーを腕力で支えるため、しっかりと構えることが大切だ。
丸太に看板の板などはめる溝は、取り付ける板幅で2カ所に切れ目を入れたら、切れ目の底に合わせて、チェンソーの先を突っ込んで向こう側に貫通させて切る。キックバックしないように突っ込みはじめは、真っすぐに突っ込まず少し角度をつけて切り込むとうまくいく。
切り出した面はブラッシングという方法でならす。写真のようにチェンソーを立ててする方法と寝かせる方法がある。
<テクニック1、丸太を杭にする>
<テクニック2、溝を彫る>
日々のメンテナンスでチェンソーはいつも快調!
チェンソーは刃が命なので使用する前か後に必ずメンテナンスする。写真のような方法でメンテナンスすれば、チェンソーはいつも軽快に使うことができる。刃の研ぎは最重要なメンテナンスとなる。きれいに研げれば、振動も騒音も少なく、切断作業も早くなる。ソーチェンは小さなカンナが並んでいる状態で、ソーチェンの刃に向きあうデプスゲージはカンナの台にあたる部分。カンナ刃と台の高低差でカンナの切れ味が変わるように、ソーチェンの刃とデプスゲージの高低差で切れ味を保持するので、写真のように専用のファイルゲージでデプスゲージの高さを測定し、必要なら削って、刃とデプスゲージの高低差を合わせるようにする。
また、ガイドバーは上下7対3の使用率でひっくり返して使うと減りは平均して、ガイドバーの片べりを防いで長期間使うことができる。
写真◎冨士井明史/取材協力◎栗田宏武、スチール
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*掲載データは2012年8月時のものです。