田舎暮らしの頼れる相棒、チェンソー。薪作りや枝打ちなど日々の仕事を能率的にこなすには欠かせない道具だが、価値はそれだけにとどまらない。もっとクリエイティブなDIYを楽しませてくれるし、じっくり大切に整備するほどに愛着を感じさせてくれる味わい深い機械でもある。そんな素晴らしきチェンソーライフに誘ういくつかのノウハウを紹介しよう。
今回は、丸太の輪切りを天板にしたワイルドなテーブルを作ってみよう。脚もやっぱり丸太から切り出した角材。天板裏面のホゾ穴に脚を豪快に叩き込めば、シンプルでいて存在感抜群のテーブルのできあがりだ。

Step 1 材料を切り出す
丸太から天板材と脚材を切り出す。一般的な木工のように緻密で繊細な作業は無用。ざっくりとした木取りでOKだ。
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01 スギの丸太を玉切りして天板材を切り出す 02 天板材の木取りが完了。直径約600mm、厚さ約200mm 03 丸太から切り出した後の材から脚材を切り出す。まず80㎜厚の板を切り出すためにチョークラインで墨つけする 04 フリーハンドでカットする 05 必要な長さ(550mm)だけ切り取る 06 切り出した板から、さらに80mm幅の角材を3本切り出すために墨つけする 07 フリーハンドでカットする 08 80×80×550mmの角材が3本できた。これが脚材になる
Step 2 脚材と天板材を加工して組み合わせる
脚材、天板材をそれぞれ加工し、ホゾ組みする。ホゾ組みといっても、やはり緻密な作業は必要なし。現物合わせでガンガン組み立てていく。
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01 3本の脚材の端をそろえて並べ、いっぺんに角度切りする 02 角度切りしたほうの木口を天板裏面に当ててみる。これが脚の角度になる 03 角度切りしたほうの端部の4面を数ミリ厚ずつ削る。削る範囲は端から100mmほど。削った部分がホゾになる 04 再び角度切りしたほうの木口を天板裏面に当て、その位置を墨つけする 05 墨つけした位置とは別のところに、脚を取りつける角度でビス留めする。これが天板裏面に掘るホゾ穴の角度の目安になる 06 墨つけした位置にホゾ穴を掘る。ビス留めした脚の角度と同じ角度でガイドバーを突っ込んで掘る。なお、ホゾ穴を掘るにはカービングバーがいい(記事内の最後を参照) 07 墨線どおりに4辺を切り込む。ホゾ穴の深さは100mmほど 08 4辺を切り込んだら、三角に欠き取るイメージで、一方からガイドバーを斜めに突っ込む 09 三角に欠き取ったら、さらに逆方向からガイドバーを斜めに突っ込み、三角に欠き取る 10 底部分はガイドバーの先端を使って削り取る 11 ホゾ穴に脚のホゾ先をはめ、ハンマーで叩き込む 12 同様にして3本の脚をはめ込む
Step 3 各部を仕上げる
脚の長さをそろえ、各部を面取りすれば完成。どれくらい面取りするかは好みで決めればいい。
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01 天板の上面から脚の下端までの寸法を決め、3本の脚にその寸法を墨つけする 02 墨つけした位置に板を当て、切断ラインを引く 03 切断ラインに合わせて、脚の下端をカットする 04 脚の下面をざっと面取りする 05 脚全体をざっと面取りする 06 脚の下面をざっと面取りする 07 天板の側面をブラッシングして完成
チェンソー木工にはカービング用のガイドバーが有効
チェンソーで丸太に彫刻するチェンソーカービング(またはチェンソーアート)には、カービングバーと呼ばれるガイドバーが使われる。先端が細く、微妙な加工に適したガイドバーだ。この特集では、ホゾ穴を掘るときのみカービングバーを使っているが、サインボード作りなどにおいてもカービングバーのほうが使いやすいだろう。
一番手前がカービングバー(12インチ)。真ん中が18インチ、奥が25インチのノーマルガイドバー。製材に使うなら長いガイドバーのほうが幅広く活躍する
栗田さんが最近手がけたチェンソーアート作品。このような繊細な加工はカービングバーでなければ無理だ写真◎門馬央典
栗田宏武 Hiroaki Kimura
カナダで開催されるチェンソーカービングチャンピオンシップで3年連続チャンピオンに輝いた経歴を持つ、国内チェンソーアーティストの第一人者。