木工では切るだけでなく溝を彫る(切る)ことも、作品の出来映えを上げるためにも必要なテクニックだ。今回は溝加工にスポットをあてて、さまざまなアイテムによる溝加工のバリエーションを紹介する。
大入れの溝彫り1/ノコギリとノミで幅のある溝を彫る
棚板などを差し込む溝にする大入れの溝はノコギリとノミで彫る。墨線に沿って溝の底まで切れ目を入れたら、左右切れ目の真ん中にもう1本切れ目を入れてから、ノミで不要な部分を欠き取る。最後にノミで溝の底をきれいにさらっておく。
01 ノコギリで溝の底まで切り込みを入れる 02 墨線に沿って。左右の切れ目のセンターにも溝の底まで切れ目を入れておく。溝の幅が40mm以上になるなら切れ目を増やして欠き取りやすくする(作例の溝幅は38mm) 03 溝部分をノミで欠き取る。よく切れるノミを使わないときれいに欠き取れない 04 大入れの溝の完成 *一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます
大入れの溝彫り2/トリマーで幅のある溝を彫る
トリマーの両側にフェンスを固定し切削幅を限定して、トリマーの動きを規制する。こうしてまず溝の左右端を彫り、あとはトリマーを左右に振りながら溝をさらっていけば、幅のある溝もきれいに彫れる。
01 フェンスのセッティング。墨線に合わせて彫る溝と同じ幅の端材を置き、その左右にトリマービット側面からトリマーのベースプレート端までの幅で切ったスペーサーを並べ、スペーサーの外側にフェンスを固定する。スペーサーの幅は正確に取ること 02 フェンスを固定したら、端材、スペーサーを外す。これでセッティング完了 03 トリマーをフェンスに沿わせて切削する。この状態でトリマーは画面右から左に動いていく。反対側のフェンスに沿わせる時は立ち位置を変え、画面の左から右に動かす。こうして溝の両端を彫ったら、トリマーを左右に振りながら残りの部分を彫り込んでいく 04 正確な大入れの溝が彫れる *一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます
本ザネ接ぎの溝彫り/丸ノコとノミで細長い溝を彫る
本ザネは、向かい合った2枚の板の木端の、片方に凹部、片方に凸部を加工して接合する方法。凹部の溝を彫るには、まず丸ノコで溝の幅を決め、次によく切れるノミでさらって整える。
01 丸ノコが転ばないように加工する材と同じ高さの台を置き、平行定規をつけて溝の両端を溝の深さまで切り込む 02 溝幅に合わせたノミを使い溝を底までさらう。写真のような削りクズが出るのはよく切れるノミの証拠 03 凸部を加工して、このように合わせると本ザネ接ぎとなる *一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます
ホゾ継ぎのホゾ穴/ノミだけでホゾ穴を彫る
ノミだけで溝や穴を彫るのは古くからの方法。よく研いだノミでも根気、時間がかかる方法だが、焦らず意識的にていねいに作業するときれいに加工できる。作業は「彫る」よりも「切る」感覚で進めるとよい。
01 墨線のほんの少し内側に刃を立て打ち込み繊維を切る 02 反対側にも刃を立てて、同じように繊維を切る 03 側面の墨線にも刃を立ててカナヅチで打ち込む。反対側の側線も同じようにする 04 手順01で切り込んだ線に向かって斜めに刃を打ち込む 05 手順02で切り込んだ線に向かって斜めに刃を打ち込む。この作業を繰り返して深く彫り込んでいく 無理に深くこじらずに、カナヅチで叩いてさくさく繊維が切れる角度で彫り進めるほうが作業しやすい *一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます
溝のデザインバリエーションが楽しめる/ルーターテーブルで板接ぎの溝を彫る
ここではルーターを取り付けたルーターテーブルならではの溝加工として、板接ぎの溝加工を紹介。登場するビットは海外から取り寄せたもの。いずれもルーターテーブルでのみ使用できるビットだ。
・ジョインテッドビットで二重の斜め接ぎ
01 ジョインテッドビット、2分の1インチ径軸、オーストラリア製 02 フェンス面とビットのくびれ部分を同一面にして材を通す 03 シンプルなイナズマ型の板接ぎとなる *一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます
・一度の切断でサネ接ぎができる
01 ジョインテッドビット、2分の1インチ径軸、オーストラリア製 02 ビットのくびれの一番径の太い刃の位置を決めて材を通す 03 見た目も個性的なサネ接ぎの溝を彫ることができる *一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます
・カッターで彫る雇いザネ接ぎの溝
01 溝掘りカッター、2分の1インチ径軸、アメリカ製、カッター刃厚さ32分の7インチ 02 カッターは木端面の上下中心に正確にセットする 03 2枚の板に溝を彫り、雇いサネで接合する *一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます
・見た目もきれいなフィンガージョイント
01 フィンガージョイントビット、2分の1インチ径軸、4指、台湾製 02 フェンス面と軸面が同一面になるようにセットし、高さ設定をテストしておく 03 溝が深く差し込まれて、強力なジョイントになる *一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます
溝切り専用の組み合わせカッター/テーブルソーでダドーを使う
ダドー(DADO)は昇降盤や、テーブルインサート(チップソーの厚みに合わせて、突出し部周囲を覆うフタ)のあるテーブルソーしか使うことができないスペシャルな溝彫り用カッター。セットされたカッターの枚数を変えることで、いろいろな幅の溝彫りに対応する。輸入品のためサイズがインチ規格なので、材の加工時に注意が必要。
01 セットになった複数のカッターを組み合わせて溝幅を変更できる 02 カッターの刃が重ならないように、少しずつずらしてセットする 03 カッターの厚さに合わせて、自作のテーブルインサートを使っている例 04 1回ダドーを通すだけで、きれいで精密な溝彫りができる *掲載データは2016年10月時のものです。