レンガは基本的なガーデン資材のひとつ。とはいえ誰もが思いつく赤レンガ以外にも、さまざまなバリエーションが存在する。ホームセンターの資材売り場に並べられたレンガから特徴あるレンガをピックアップ。
普通のレンガ
紀元前3000年頃に生まれたといわれるレンガは、建築資材として世界中で使われてきたが、日本に紹介されるのは幕末の頃で、国内では古い歴史があるというわけではない。明治に鉄道が発達してから国内での使用が増えるが、関東大震災でレンガ造りの建物は地震に弱いことが認識され、コンクリートの発展とともにレンガが建築の構造資材として使われることは、ほとんどなくなってしまう。現在はもっぱらガーデンの造作やエクステリアの景観を作る資材として利用されている。現在でもレンガが住宅建築に使われる地域のレンガでは、鉄筋とモルタルを打つための穴があいたレンガもあるが、これらを含めてガーデンエクステリアでは、とくに既成の使い道にはこだわらず、デザインのバリエーションとして利用したい。
日本の赤レンガはJIS規格で寸法や品質が規格化され、世界のレンガと比べても高い品質を持ち、ばらつきがなく均質的。一方海外から輸入されるガーデン用のレンガは地域ごとに大きさ、色などに個性があり、いろいろ組み合わせることで多彩な庭作りが楽しめる。レンガの接着や積みの作業では、一般的にモルタルを使用する。
ベルギーレンガ
素朴でソフトな雰囲気のレンガ。ベルギーレンガは多くのプロガーデナーも使う、人気のアイテムだ。約190×90×50mm
赤レンガ
日本製の赤レンガ。JIS規格により誤差の少ない安定した作りになっている。かちっとした作品に最適。写真上から、基本(210×100×60mm)、ヨーカン(210×45×60mm)、半ペン(210×100×30mm)、半マス(100×100×60mm)
コボルブリック
角の取れた丸みのある柔らかなフォルムが特徴のレンガ。レッドとクリームがある。標準サイズ(約220×103×67mm)、ハーフサイズ(約100×100×50mm)
ミックスレンガ
多用途に使える薄めのレンガ。3色のミックスで自由な敷き、積みのパターンを楽しめる。約190×94×45mm
オールディッシュレンガ
古びたイメージで焼かれたオランダ産レンガ。濃いブラウン系の色と、赤系の色がある。約215×100×65mm
飾りレンガ
ハート、足跡、犬などが型抜きされたレンガ。平面が正方形の半マスサイズで焼かれている。約100×100×60mm
イギリスレンガ
モルタルを盛るための大きな窪みがあるイギリス積みレンガ。約210×100×60mm
アンティークレンガ
実際に使われていた窯などの解体時に出たレンガをクリーニングしたもの。ひとつひとつ風合いが異なる。約235×115×65mm
パシフィックブリック
クッキーのようなかわいらしい質感のレンガ。穴あきレンガと、笠木に使う穴のあいていないレンガがある。穴あき(約230×114×75mm)、笠木(約230×114×60mm)
グレートウォールレンガ
頑丈なレンガ積みができるよう、鉄筋とモルタルを打つための穴があいている少し大きめのレンガ。約230×110×75mm
マレーシアブリック
実際にレンガ積みによる住宅建築が行なわれているマレーシアのレンガ。穴あきのレンガは鉄筋を差し込むためのもの。約215×110×67mm
スティックストライプレンガ
断面が正方形のレンガ。アプローチのエッジや、ペイビングのワンポイントなどに効果的に使用できる。ブラウン、シルバー、イエロー、ピンクの4色。約170×60×60mm
クイーンズランドブリック
わざと焦がした風合いで焼かれた、少し大きめのレンガ。積み、敷きともに使うことができる。穴あきタイプもあり、積む場合は鉄筋とモルタルを打つこともできる。約230×110×76mm
ニューサウスウェールズブリック
古典的なデザインのレンガ。基本的には積みレンガだがDIYのガーデン作りでは、用途にとらわれずに自由なセンスで利用したい。濃い色と明るい色がある。約230×110×76mm
ゴールドコーストペイパーレンガ
堅く平滑に焼かれたペイビング用レンガ。ゴールドとタンの2色があり、大中小3サイズを選択できる。大(230×460×50mm)、中(230×230×50mm)、小(230×115×50mm)
ドライモルタル
あらかじめセメントと骨材(砂)が配合されたドライモルタル。水を混ぜるだけでモルタルとして使用できる。自分でセメントと砂を混ぜるより割高だが、小さな作品づくりなどでは合理的に使える。25㎏
*掲載データは2017年2月時のものです。