作りたいもので探す
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2022/2/10 18:18

簡単に低コストでキュートな小屋をDIYで作ろう!

骨組みは2×材、外壁&屋根はトタン波板を採用。できるだけリーズナブルな材料を使った小屋作りの模様をリポート。ビギナーでもより気軽にチャレンジしやすい構造を目指し、通常の2×4工法をアレンジした、間柱の向きと棟木の形状がポイント!

外壁材のトタン波板は横張りに。コーナーのトリミングと破風板には2×6材を使用。通常は1×材を使うことが多いが、今回の場合は重厚感のある2×6材のほうが、トタン壁とのバランスが良いと判断

 

 

この小屋の最大の特徴は、2×4材で作る壁フレームの間柱の向き。通常の2×4工法では向きをそろえて組むのが一般的だが、2×4材の幅広のほうを外側に向けて組んでいる。これによりOSBの継ぎ目部分にあたるフレームの幅が広がって、ビスの打ち損じを減らせる。 また、屋根の束柱も間柱と同じ向きに固定し、棟木は2枚の2×材を逆T字に組んだ形状に。これにより垂木は角度切りを必要とせず、先端を棟木に載せてビス留めするだけでOK。よりビギナー向けの施工方法となっている。 通常の2×4工法の組み方をした小屋よりも強度的には若干劣ると思われるが、今回のようなコンパクトサイズの小屋なら問題なし。ぜひ気軽にトライしてみてほしい。

 

約3畳の室内。骨組みのみ水性ステインで塗装した。壁下地や野地板には構造用合板を使うことが多いが、今回はOSBを採用。独特の風合いを持つOSBなら、内壁を張らず、そのまま仕上げても雰囲気のいい室内に

 

【主な使用道具】
丸ノコ(木工用/鉄工用/プラスチック用チップソー)、スライド丸ノコ、インパクトドライバー(プラスビット2番/1番)、ドライバードリル(3/12mm径ドリルビット)、ジグソー(金属用ブレード)、ディスクグラインダー(金属用切断砥石、ディスクペーパー)、丸ノコ用平行定規、スピードスクエア、水平器、バール、ノコギリ、メジャー、自由スコヤ、チョークライン、サシガネ、ノミ、カナヅチ、ゴムハンマー、カンナ、ノミ、カッター、タッカー、金切りハサミ、波板ハサミ、つかみばし、コーキングガン、マスキングテープ、ハケ、塗料カップなど

【用意した資材】
2×4材(38×89×3658mm)26本
防腐処理済み2×4材(38×89×3658mm)7本
2×6材(38×140×3658mm)12本
防腐処理済み2×6材(38×140×3048mm)7本
OSB(9×910×1820mm)20枚
アカマツ野縁(30×40×3985mm)9本
スギ胴縁(15×45×4000mm)17本
アクリル板(9×910×1820mm)1枚
トタン波板(グレーホワイト8尺、約630×2420mm)8枚
トタン波板(グレーホワイト6尺、約630×1820mm)7枚
トタン波板(シャインブラック8尺、約630×2420mm)5枚
棟カバー(約1820mm)2本、コンクリート平板(60×300×300mm)8個
ルーフィング(1×21m)1巻、透湿防水シート(1×50m)1巻

【その他の材料】
ビス(50/75/90㎜)
スリムビス(38/40/50/65㎜)
なべ頭タッピングビス(25㎜)
溶融メッキクギ(50㎜)
捻り傘クギ(41㎜)
コーキング剤、蝶番(155㎜)3セット
取っ手2個
ドアラッチ1個

【用意した塗料】
屋外用水性ステイン(ウォルナット)

 

材料費…約14万円(塗料は除く)  

 

Work1 床を設置する

防腐処理済みの2×6材で床フレームを組み、OSBを2枚重ねて張る。

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Work2 壁フレームを作る

2×4材を組んで1面ずつ壁フレームを作る。間柱は材の広い面を外側に向けて固定するのがポイント。

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Work3 屋根のフレームを作る

2×4材を各部材の長さにカット。束柱、棟木、垂木の順に固定していく。

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Work4 壁・屋根の下地を張る

窓とドアのフレームを追加し、外壁と屋根の下地となるOSBをフレームに固定していく。

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Work5 外壁・屋根を張る

壁と屋根に下地の角材を固定し、トタン波板を張っていく。続いて破風板、トリミング、建具枠を固定したら建物はほぼ完成!

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Work6 建具を作る

ドアと窓を2×4材で組み、枠内に蝶番で取りつける。

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CHECK 格子の交差部分は相欠きでスマートに仕上げる

窓の格子は、ビスやクギを使わずに材同士を組むことができる、相欠きという木工の継ぎ手テクニックでつなぎ合わせた。丸ノコ、カナヅチ、ノミさえあれば加工できるので、ぜひ覚えておきたい。

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Work7 デッキを作り塗装する

入口前に簡単なウッドデッキを設置し、木部を水性ステインで着色する。

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CHECK 塗料の性質を知って仕上がりと扱いやすさをイメージしよう

塗料には大きく分けて水性と油性の2種類。DIYでは、刺激臭が少なくて、塗料を薄めたりハケの洗浄が水で行なえる水性が扱いやすい。また、塗料によって表面の仕上がりにも違いがあり、木目を生かしてナチュラルな風合いを楽しむならステイン、表面をきれいに塗りつぶして好きなカラーを楽しむならペンキを選択するといい。

建具まわりなどの細かい部分は目地バケで塗る。アクリル板や金具に塗料がついてしまっても、水性ならすぐに布などで拭き取れば問題ない

 

木目を生かすステインを塗装した仕上がりイメージ。右から、未塗装、1度塗り、2度塗りの状態。同じ色の塗料でも2度塗りすると色が濃くなって深みが出る

 

外壁の下見張り仕上げによく使われるスギの荒材は、塗料がすぐに染み込んで伸びが悪い。色ムラができないように注意しながら塗装しよう

 

塗装は組み立て前にすませておくのも良策。そうすれば塗りにくい部分がなくなり、養生の必要もなくなる。また、広い面にはスピーディーに塗装できるコテバケやローラーを使うのがおすすめだ

 

写真◎福島章公

栗田宏武 Hiromu Kurita

カナダで開催されるチェンソーカービングチャンピオンシップで3年連続チャンピオンに輝いた経歴を持つ、国内チェンソーアーティストの第一人者。ログビルドの達人としても知られ、ログハウスを作りながら多くのセルフビルダーを育成している。