今回紹介するのはウッドデッキ、小屋、フェンス、ガレージ&カーポートなどあらゆる作品の基礎を固めるための資材の数々。地味でごつい見た目のものばかりだが、作品をがっちりと支える重要な資材だ。
基礎作りにおける5つの「基礎知識」
1、作品の水平を保ったまま支えてくれるのが基礎の役割
設置されたエクステリア作品の水平を保ち、傾いたり沈んだりすることなく安全に上部を支える下部構造の構成部分のことを基礎と呼ぶ。基礎には、上に載る上部構造の重量を受け止め、長期間地面に接していても腐ったり変形したりすることのないよう、丈夫で耐久性のある材料が使われている。今回はDIYで作る小屋や物置、ウッドデッキ、ガレージ&カーポート、フェンスなどの基礎として使われ、ホームセンターで購入できる資材を中心に紹介している。
2、ウッドデッキや小屋作りでは独立基礎がベター
本格的な住宅では、敷地全体に鉄筋コンクリートの基礎をめぐらす、耐震性能が高いベタ基礎が採用されることが多い。DIYで作る小屋やウッドデッキなどは、束石を床下部分に並べ、必要に応じて立てた束柱の上に、大引きや根太が載る「独立基礎」のほうが施工は容易でコストも抑えられるのでおすすめ。
3、柔らかい地面や大きな作品の基礎には砕石も併用する
基礎の設置で基本となるのは、地面の状態に応じた設置場所の調整だ。しっかり固められた状態の地面に小型の物置やエクステリア作品など比較的軽量なものを設置する場合は、地面の上に直に基礎材を設置してもいい。畑地のような柔らかい土地や、3坪以上ある小屋やウッドデッキでは、基礎材の設置部分の下に基礎材よりひと回り広く
50mm以上の厚さで水平に砕石を敷き詰め、基礎の沈み込みを防止する。作品に応じて、適格な基礎の選択とプランニングをすることが大切だ。
4、車庫の基礎は鉄筋入りコンクリート土間でがっちり作る
1トンほどの重さのある車が載るガレージやカーポートの基礎は、重量に対して十分な強度を持たせる必要があるため、コンクリート土間が最適だ。コンクリート土間は6~12mm径の鉄筋を井桁に組んだワイヤーメッシュを、100mm程度の厚さのコンクリートの中間部分に張り巡らせて作る。
5、既設のコンクリート土間を利用する手もある
もともとあるコンクリート敷きのテラスなどの上にウッドデッキや小屋を建てる場合は、金属や強化プラスチック製の基礎材を利用するのも便利だ。なかには高さの調整が自由に行なえるのもあり(鋼製束など)、その場合は既存のコンクリートテラスにつけられた雨勾配による高低差にも対応できる。
独立基礎
独立基礎は上部構造をしっかり水平に支えるとともに、本体部分の木部が地面に直接触れないように地面からある程度持ち上げて、地面の湿気や雨の跳ねかえりを避け、風通しをよく保つ役目も担っている。
このため独立基礎材はコンクリート製の角型をしたものが大半で、単純なサイコロ型をしたものはピンコロ、上すぼまりの台形をしたものは束石や沓石などと呼ばれている。束石や沓石は上面にホゾ穴があるもの、羽子板が立っているもの、ボルト穴のあいたもの、2×材を差し込める溝があるものなど実に種類豊富だ。
DIYの小屋作り程度の規模であれば、とくにどれを選んだほうがいいという制約はなく、製作するもののデザインや好みに合ったもの、購入する店舗の在庫や価格との兼ね合いを考えて選ぶといい。
<主な独立基礎>
沓石
羽子板付き沓石
2×4用束石
ピンコロ
多目的ピンコロ
独立基礎材の使い方
基礎が置かれる地面をある程度平らにならし、各基礎石(束石)の設置場所を決めてから、一度基礎石をはずし、基礎石よりひと回り広く50mm以上掘り込む。穴の底をよく突き固めたら砕石を充填し、砕石が動かないように突き固めて、コンクリートを打ち、その上に基礎石を配置する。並べた基礎石が互いに水平になっているか確認し、最後に土で埋め戻せば作業完了だ。
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*掲載データは2017年6月時のものです。