住宅用家屋の解体というと急に敷居が高くなってしまうが、今回はDIYで作った小屋や物置、模様替えのための室内などをターゲットに、道具とその使い方、解体手順を紹介しよう。
作業服は動きやすくてケガを防ぐウエアで決める
解体作業中は材が頭に落ちてくる、床を踏み抜く、すき間に手をはさむといった予期しないアクシデントに見舞われることがある。そんなトラブルを安全にやり過ごせるようなウエアを身に着けることが大事。今回のテーマになっているDIY小屋や物置の解体では、それほど大げさなウエアは必要ないが、それでもこれらのポイントを押さえておくことで、快適に作業することができる。
粉じんやほこりから身を守るには、とにかく皮膚を露出しないようにし、汚れても気にならない服を着用する。コットン生地のTシャツは、汗をかくと粉じんや小さな木端がくっついて身体がかゆくなることがある。ジーパンは丈夫でいいが、汗をかくとひざが上がりにくくなって動きにくい。暑い季節でも半袖、短パンはケガのもととなるので避けておきたい。寒い時期には、少し大きめのつなぎを重ね着してもいい。また、服装以外の小物装備にもこだわろう。
<ヘルメット>
<防護メガネ>
<手ぬぐい>
<防塵マスク>
<グローブ>
<安全靴>
解体作業で使う3大道具
実際の木造住宅の解体作業を見ても、メインとなる道具は案外とシンプルだ。壁材や屋根材をはがすバール、柱など構造材を切るためのチェンソー、基礎を砕いて解体するためのはつり機の3アイテムが主に使われる。なお、構造材の切断に丸ノコは使わないようにしよう(解体後の木材カットなどには使ってもいい)。丸ノコは下に置いた材を上から切るものなので作業が進めづらく、横向きや上向きにして使うのは危険。構造材の解体には、いろいろな方向から切ることができるチェンソーのほうが適している。
<チェンソー>
<はつり機>
<バール>
小回りの利くレシプロソーで作業スピードアップ!
構造材に2×4材や垂木など、比較的薄い材を多く使っている場合は、レシプロソー(またはセイバーソー)と呼ばれる小型の電動ノコギリが便利。チェンソーでは作業がしづらい場所で手ノコを使うよりもすばやく解体できる。ブレードを交換すれば金属系の素材も切断できるので、1台あると非常に心強い。
イラスト◎丸山孝広
*掲載データは2017年10月時のものです。