事例集
事例集
2022/4/13 17:17

自作の窯で本格ナポリピッツァを焼こう!(1)タイル張りのドーム窯の作り方

ナポリピッツァの特徴は、ふっくら膨らんだ縁の部分。そのコルニチョーネ(イタリア語で額縁の意味)と呼ばれる縁の食感や、シンプルなトッピングゆえに堪能できる生地の風味など、本格ナポリピッツァならではの美味を家庭で味わうために作ったふたつの窯を紹介。

 

Case1 タイル張りが美しい耐火レンガのドーム窯

窯口のアーチの上に煙突をつけた伊藤さんの窯。内径は約800mm、外径は約1000mm、高さは外寸約530mm。左にバーベキュー炉を併設している

 

タイル張りでおしゃれに仕上げた。吸水率が低く、野外での使用に適した磁器質タイルを使っている

 

ピザピールは親せきの手作り。ステンレスの板とパイプを溶接したもの。木製グリップの上半分がスライドするので、柄の好きな部分を握れる

 

料理が趣味のIさんは、イタリア料理を学ぶために本場に1カ月滞在するほどの凝り性。そのときに食べたナポリピッツァの味が忘れられず、自分で焼けるようになりたいと、ピザ窯の自作を思い立った。

窯の形は、多くのピザ店が使っている単層ドーム型。サイズは、販売されている窯を参考に決めた。窯を温める時間を短縮できるよう、天井を少し低くして、真円ではなく楕円状にしている。

こだわりは、タイル張り。10mm角の磁器質タイルを約1万5000枚使って、青空に映える美しいデザインに仕上げた。イメージは地中海の太陽。その中にある「HORNO de GIRASOL」という言葉は、スペイン語でヒマワリ(太陽の花)を意味するそう。

窯作りと並行して、おいしいナポリピッツァを焼くための研究にも勤しんだIさん。気になるピザ店があれば遠方であろうと訪れ、窯が見える席に座ってプロの焼き方を見学。ピザ焼き職人に直接話を聞くこともあったとか。

窯の完成後は、親戚や友人が集まってのピザパーティーが恒例行事に。最初のころは生地作りや窯の温め方がうまくいかないこともあったが、最近では安定的に満足いくナポリピッツァを焼けるようになってきた。ただ、それでも試行錯誤は終わらない。毎回、前回よりさらにうまく焼くために考えを巡らすことこそ楽しいのだと、窯の中を見つめるIさんの精彩に満ちた表情が語っている。

 

<DATA>
製作者…Iさん(50歳/会社員)
材料費…約20万円(バーベキュー炉含む)
製作日数…約35日(バーベキュー炉含む)
主な使用資材…
耐火レンガ204個(基本=58個、Y1=5個、Y2=79個、Y3=37個、半丁=25個)、耐火キャスタブル2袋、耐火接着剤、コンクリート平板、コンクリートブロック、大理石、モザイクタイル、外壁用人工石材、薪ストーブ用煙突、セメント、砂、砕石

 

定番メニューのマルゲリータ。コルニチョーネ(縁)がふっくら膨らんでいるのがナポリピッツァの特徴

 

トマトとガーリックスライスのマリナーラに、自ら燻製したベーコンもトッピング

 

こちらはモッツァレラ、ゴルゴンゾーラ、アメリカンクリーム、パルミジャーノの4種のチーズを載せたクワトロフォルマッジ

 

Iさんちの窯作りダイジェスト

<土台を作る>

<耐火レンガで窯を組み立てる>

<タイルで装飾する>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

Iさんちのピザ焼き実況中継

<窯の準備>

<ピザの準備>

<ピザを焼く>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

写真◎門馬央典(製作中カットは製作者提供)

*掲載データは2016年6月時のものです。