本格的なショットバーのように特別かしこまることなく、仲間と好きな酒を好きなだけ飲める自分仕様の宴の舞台、DIYで実現してみませんか?酒飲みのロマンが詰まったプライベート酒場の作り方、そのヒントを教えます。
File01 古民家を大胆改装!移動式ビールサーバーもある囲炉裏バー
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製作者…中山茂大さん(48歳)
DIY歴…10年
製作費用…約6万円
製作期間…約2週間
東京・奥多摩の山中の古民家を購入し、大がかりなリノベーションを成し遂げた中山茂大さん。その模様は2012年に『笑って!古民家再生』(山と渓谷社刊)という本にまとめられたが、その後も中山さんのリノベは続行。ここで紹介する囲炉裏バーも、本の出版後に完成した部分だ。
なお囲炉裏そのものは元々あったので、DIYのハイライトは、キッチンとの間仕切り壁を撤去してカウンターとボトル棚を設置したこと。これにより絶妙なバランスの和洋折衷となり、個人宅はもちろん飲食店でもあまり見かけない独特の雰囲気が生まれた。
視線を落とせば日本酒や焼酎の似合う囲炉裏があって、ふと見上げればダウンライトに照らされた洋酒のボトルがずらりと並んで…酒好きなら思わず混乱してしまいそうなほどに贅沢なシチュエーションだ。
さらに中山さんは移動式のビールサーバーまで自作して、いつでも生ビールが飲める状態に。これでよく真人間でいられるものだ、というのは冗談だが、仲間が集まったときの盛り上がりに拍車がかかるのは必至。ときには大人数が集まることもあるが、各者が嗜好に合わせて楽しめる、懐が深い囲炉裏バーなのだ。
POINT1 古民家の囲炉裏を復活させてフル活用
古民家に元々あった囲炉裏は、購入時には掘りごたつに転用されており、中山さんもしばらくそのまま使っていたが、囲炉裏として復活させようと決意。コンクリートで成形された炉箱の表面にガルバリウム平板を折り曲げてかぶせ(ただし、この作業は不要だったのではないかと、中山さんは今では思っているとか)、園芸用の軽石を詰めてかさ上げしてから灰を充填した。灰と、梁から吊るした自在鉤は古道具店で入手したそう。
POINT2 間仕切り壁を撤去してボトル棚&カウンターに
囲炉裏部屋と隣室のキッチンとの間にあった壁は、柱を残して撤去。新たに上部にボトル棚を作り、下部にはカウンターを設えた。棚板やカウンターには、この家をリノベーションしたときの廃材を使っているため和風な趣もあるが、ダウンライトに照らされた洋酒のボトルや、棚壁面の色粉を混ぜた漆喰の色合いが洋風な雰囲気を醸し出している。
POINT3 移動式ビールサーバーを自作
古道具店で使い古しのビールディスペンサーをもらったのをきっかけに、中山さんはビールサーバー作りにトライ。ドラフトタワー、炭酸ボンベなど必要なものをそろえ、ディスペンサー内のビールが固着した銅管を湯でクリーニング。さらに室内で自由に動かせるようキャスター付きのボックスを作り、移動式ビールサーバーに仕上げた。
POINT4 憧れの生ハム原木とグラスハンガーを導入
せっかく素敵な空間ができたのだから、憧れていたことを実現しようと中山さんが設置したのが、生ハムの原木とグラスハンガー。生ハムは2本目を仕入れるほど気に入っているが、グラスハンガーは「取りつける場所が悪かった。ここだと邪魔。頭をぶつけてグラスを落として割ったこともあります」とのこと。皆さん、グラスハンガーの設置場所はよく検討しましょう。
写真◎門馬央典
*掲載データは2017年12月時のものです。