手で挽くノコギリと同じく直線を切るという作業を、ノコギリより大幅に素早くこなせるように生まれた電動丸ノコ。DIYでも大量の材を切断するなど、基本的な工程で大活躍してくれる電動工具だ。
基本は刃径165mmモデル
DIYの現場で使われる切断工具の主役が丸ノコ。材料を切り分ける木取りという作業で、正確に素早く材を切断するためには欠かせない電動工具だ。
2×4材を切るにしても、完全に切断するのに手で挽くと1分程度かかるが、丸ノコを使えば数秒で切り落とすことができ、作業の効率を大幅にアップしてくれる。
丸ノコは円盤型のチップソーと呼ばれるノコ刃の大きさで、本体が大中小いくつかの大きさに分けられるが、DIYの現場ではチップソー直径が165mmのモデルが使いやすい。165mmチップソーの丸ノコは、プロの現場でも多く使われるスタンダードモデルといえる。165mmのチップソーを取り付けるタイプの丸ノコの、最大切り込み深さは、モデルによるが57mmから66mmと十分な深さがある。これだけの切り込み深さがあれば、薄い合板から厚さ38mmの2×材まで余裕を持って切断することができる。
丸ノコは直線切りの専用機という電動工具だが、直角の直線切り以外に、傾斜した直線切りができるように、チップソーを傾ける機能がついている。また、材の木目に沿って縦に長く切るときに、切り線が曲がらないように丸ノコをガイドする、ソーガイドや平行定規と呼ばれるガイドバーが付属することも多い。
ベースプレートと刃は直角に
家庭用の100V電源を電源にする丸ノコは、出力1000W以上のモーターとチップソーが組み合わされ、ハンドルと安全カバーのついた本体部分が、ベースプレート(定盤)の上に載っている構成で、基本的には、ベースプレートの面に直角にチップソーがセットされている。
一般的な丸ノコは片側に45度の角度まで傾斜できるようになっていて、傾斜のついた直線も切ることができる。
ベースプレートは材料の上に載り、回転するチップソーをしっかりと支える重要なパーツで、精度の高さと頑丈さが必要とされる。鉄板製とダイキャスト製があるが、一般的にダイキャスト製のほうが性能は高く、ダイキャストのベースプレートのついた丸ノコは高級機とされる。
モーター周りには、モーターを回すためのカーボンブラシが入ったホルダーがあり、カーボンブラシを交換するためのブラシキャップが2カ所ついている。カーボンブラシはモーターを回転させるためのパーツで、自動車のタイヤのように目印まで磨り減ったら交換する消耗品だが、週末だけの日曜大工での使用なら5~6年は交換しないで使えるので、日常的に心配はいらない。ただし交換するときは、2個一緒に交換する。また、最近の丸ノコには、チップソーの切断部分を照らすライトがついたモデルも多く、多少暗くなっても正確に墨線を追うことができる。
丸ノコの刃(チップソー)の取りつけ方
古いチップソーを新しく交換したり、別の用途の刃と入れ替える場合は、写真のようにノコ刃交換レバーを押して、刃が回らないようにしながら、センターの固定ボルトを緩めてフランジをはずし、交換する刃を取り外して、シャフト側フランジの凸部に合わせて新しい刃を取り付ける。写真では刃のついていない丸ノコに新しいチップソーを取り付ける手順を紹介している。取り外し手順は写真の逆の手順で進めればいい。作業中は必ず電源プラグを抜いておく。
<木工用チップソーで切断できる材の一例>
木材、集成材、木質合板、MDFボード、木質フローリング、OSB合板、スタイロフォーム、ケイカル板、石膏ボード、ラスボード、ラスカットボード、パーチクルボード、竹材、ファイバーボード、インシュレーションボード等
写真◎冨士井明史
*掲載データは2011年10月時のものです。