窯作りに挑戦する皆さんのために、押さえておくべきポイントをまとめて解説。これさえチェックすれば、あなたの頭の中では、すでに立派な窯ができあがってるはず。ほら、意外と簡単に作れそうでしょ?
*ピザ窯・パン窯の基本とPOINT1・2はコチラ!
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POINT3 ドーム型か、アーチ型か、スクエア型か?
窯は、内部の形状によって空気の流れが変わり、薪の燃え方、熱の回り方が変わる。つまり、ピザやパンの仕上がりに影響を及ぼすことになる。
が、それはあくまで「突き詰めれば…」の話。形に関わらず、窯で焼いたピザやパンは十分においしいはずだ。大まかな焼き具合なら、薪やオキ火の位置によって調整することもできる。
ちなみに理想は、横から見て丸く尻上がり、上から見ると滴のような形状だといわれている。粘土を使えば可能だが、耐火レンガで作るには難しい形だ。
ドーム型
アーチ型
スクエア型
DIYで作る窯のほとんどは、ドーム型、アーチ型、スクエア型のいずれかに分けられる。
この中では、ドーム型が熱の回りがいい。ただし、作るのは最も大変なはずだ。ドーム型の木型を作り、レンガをひとつずつ加工するという手間がかかる。
アーチ型も標準形の耐火レンガを使えば、ドーム型と同様の手順で作ることになる。ただドーム型ほど複雑な形状ではないので、比較的作業は楽だ。さらに、もともと扇形をしたアーチ用の耐火レンガも販売されているので、それを使えばグッと手軽になる。
スクエア型はもっとも単純。前項で紹介した二層式の上段の床と同じように、板状の資材をのせて天井を作ればいい。
どの形状にもいえるのは、窯口を小さくすれば熱が逃げにくいということ。
とはいえ、小さ過ぎると、空気の流入が少なくなって薪が燃えにくくなる(煙突をつければ解消できる)。また、ピザやパンだけでなく、ピール、トレー、ダッチオーブンなど、出し入れするもののサイズも考慮しなければならない。
なお、窯本体のサイズは、ピザ、パン、ダッチオーブンなどのサイズから見当をつければいいが、大きいほど温まるまでに時間がかかり、小さいほど薪が燃えにくくなるということは知っておこう。
POINT4 煙突
窯に煙突があれば、空気の流れがスムーズになり、薪がよく燃え、煙の抜けもいい。
煙突は細め(100~150mm程度)で、真っすぐ立ち上がっているほうが、空気の流れが強くなり、薪が燃えやすい。
煙突がうまく働けば、窯口が小さくても薪が燃えるため、熱が逃げにくい窯を作ることができる。
熱が逃げにくい窯を目指すなら、煙突にはダンパーを装備したい。ダンパーは煙突を遮断する板のこと。薪を燃やす間は開放して空気を流し、窯が温まったら遮断して熱が逃げるのを防ぐというわけだ。
もともと空気をよく取り込み、薪がしっかり燃える窯なら、窯口から煙が出ることにはなるが、必ずしも煙突は必要でない。
イラスト◎丸山孝広