達人に訊く
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2022/10/15 17:17

切断から研磨まで多用途に使えるディスクグラインダーの基本を解説!/DIY工具使いこなし術(10)

専用のディスクが、毎分およそ1万回転という超高速で回転し、ディスクを交換することで、材を切ったり、削ったり、磨いたりできる電動工具が今回紹介するディスクグラインダー。

交換用のディスクは、加工する材の材質にあわせていろいろな種類があり、また、それぞれ切断、研削、研磨用に分かれている。

 

最新のディスクグラインダーは本体が細く、しっかりとグリップできるようにデザインされている。グリップデザインはディスクグラインダーを選ぶ際の重要なポイントだ

 

ディスク100mm径用のディスクグラインダーが使いやすい

ディスクグラインダーは使用するディスクの径に合わせて100mm用、125mm用、150mm用、180mm用などのバリエーションがあるが、プロも含めて100mm用ディスクグラインダーがもっとも広く使われ、ディスクのバリエーションも豊富だ。実際に作業しても100mm用グラインダーは一番使いやすく、これ以上大きなモデルでは、工具を安定させるだけでも大変で、作業中には危険すら感じる。125mm用以上のモデルは、専門職用といえる。

ディスクグラインダーを使うときに、一番注意する点は、工具の保持。とくにスイッチ位置の関係から、始動するとき、片手で持つことになるので、スイッチを入れた拍子にディスクグラインダーを落とさないように、しっかりと保持すること。新型のモデルには今回使っているモデルのように、本体を細くして、持ちやすくデザインされたモデルもある。細身のモデルなら、手が小さい人でも、片手でしっかり保持することができる。

 

パワースイッチは本体後部についていることが多いため、スイッチのオンオフでは本体を片手で持つことになるので、しっかり保持して始動、停止する

 

誤作動を防ぐため、プラグは作業時以外は必ずコンセントから抜いておくことを習慣づける

 

市販のスピードコントローラーを使い低速側へ回転数の調整ができる。便利な別売アクセサリーだが、電子コントロール式のディスクグラインダーには使えないので注意

 

また、丸ノコのようにトリガースイッチから指を離せば、スイッチが切れるという仕組みもないので、モーターの始動、停止時はしっかり本体を持って、スイッチを操作する。コンセントにつなぐ前には、必ずスイッチが切れていることを確認すること。スイッチが入ったままコンセントにつなぐと、突然始動して危険だからだ。

金属を加工する場合激しい火花が散るが、見た目と違い熱くない。しっかり保持するなら素手。火花はちょっとという場合は革手袋をする。軍手は、万が一繊維が巻き込まれると、手まで引き込まれるので禁止。それよりも、目に切り屑が入るほうが危険なので、メガネ、保護メガネ着用は必須だ。

 

ディスクグラインダーで作業するときはメガネ、ゴーグル等で目を保護することが大切。細かい切り屑が目に入ると失明することもある。また切粉が舞うような作業ではマスクも必要だ

 

研磨砥石で研削する場合は写真のような角度(20〜30度)でディスクを斜めに当て、強く押し付けずに工具の重さなりで、手前に引きながら削る

 

切断砥石を使う場合はディスクを立てて材に当て、手前に引きながら切断する

 

金属の加工では激しい火花が散るが、熱くはない

 

中央の黒いボタンがディスク交換の際、ディスクの回転軸をロックするスピンドルロックボタン

 

ディスク交換の方法

ディスクを交換していろいろな材質を加工できるのが、ディスクグラインダーの大きな特長。ディスクグラインダーを使いこなすには、所有しているディスクグラインダーのディスク交換の方法はマスターしておきたい。

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写真◎冨士井明史/取材協力◎白井 糺、イチグチ

*掲載データは2012年6月時のものです。