事例集
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2022/10/18 17:17

ギャラリーを併設した木工家の工房はハーフビルドで建てました!/みんなのガレージ&工房(8)

今回は、なかなか見ることのできないプロの木工家が仕事場にしている工房を紹介。工房の構造から外装を本職の大工が作り、内装はDIYで作るハーフビルドと呼ばれる方法で作られている。

 

<記事内ギャラリー>

 

東京都町田市郊外の山すそに建つ平屋作りのシンプルな工房。手作りのウッドデッキも見える

 

据え置き型の電動工具や、素材となるオニグルミの在庫が置かれた工房内部。内壁となる石膏ボードは張ってあるが、まだむき出しのままで仕上げを待っている

 

<DATA>
施主…Oさん(39歳・木工家)、Kさん(44歳・会社員)
DIY歴…7年(Kさん)、プロ10年(Oさん)
製作費用…約900万円
実働製作期間…2008年から進行中
面積…60㎡

家具作りの合間に内装作業もコツコツ進行中

家具作りの工房として基礎から外装、サッシ、シャッターまで、つまり鍵を掛けて戸締りできるところまで大工に建ててもらい、木工房として使いながら、作り残している内装は自分たちで製作している。

ここを仕事場としているOさんは注文家具の作家さん。国産無垢材にこだわったやさしいカーブを生かしたデザインや、植物油、自家製蜜蠟ワックスを使う環境に配慮した仕上げの作品で、ひとつひとつをていねいに作るため、いつも順番待ちの状態という評判の家具作家だ。音の関係で自宅では作品づくりのための電動工具を動かすことができないので、自宅から通いが可能な場所に土地を求め、この工房が建てられた。

工房は間口約5.4m。奥行き約7.28mで、100V電源のほかに、三相200Vの電源も引かれ、大型の電動工具にも対応できるようになっている。ギャラリーとして造られた工房奥にはトイレやシャワー、キッチンも完備し、長時間じっくりと作品づくりに取り組める環境も整備した。

内装作業は写真でご覧のとおり目線が通る高さまでは、ほぼ完成している。これからは脚立が必要な高い場所に取り掛かりたいということだ。平日は注文家具作りに追われるOさん、週末などを選んで夫のKさんと共同作業で、少しずつ作業を進めている。まだ時間がかかることはわかっているので、素材選びもじっくりと吟味しながら、こつこつと満足のできる内装作りを楽しんでいきたいということだ。

 

工房から見上げた屋根小屋組み部分。在来軸組工法で建てられていることがわかる

 

ギャラリーからは4連のフィックス窓を通して工房を見通せる

 

ギャラリーには薪ストーブが設置されている

 

昇降盤(プロの使う高精度のテーブルソーの仲間)は三相200V電源のモデル。上には木取りされた材が整理されている

 

ギャラリー奥のトイレ(左)とシャワー・脱衣所(右)のドアもDIY。素材はウォールナット。スペースの関係で左は開き戸、右は引き戸と工夫されている

写真◎高島宏幸

*掲載データは2013年8月時のものです。