木工作品づくりをはじめ、DIYの全般に活躍する接着剤。今回はホームセンターで入手できる製品を中心に、木工用、多用途、瞬間の各接着剤を紹介する。
天然接着剤から高性能な合成接着剤へと進化を続ける接着剤
人類は原始時代から接着剤を利用してきた。はじめの接着剤は自然由来のもので、世界各地、また日本の縄文時代の遺跡からも、矢尻と矢柄の接着に自然のアスファルトを利用したものが発掘されている。日本ではアスファルトは新潟、秋田の日本海沿岸で、自然に地面にしみだしてくる地域があり、古代では重要な特産品として、大和朝廷への献上物となっていた。
こうした天然の接着剤では、国内では天然うるしも古くから使われ、うるしで修理された土器が出土している。日本にウシ、ウマが移入されるにつれニカワの利用が、米の大規模な栽培が広まるにつれデンプン糊が広まっていったと考えられる。接着剤の原料となる動物や米の伝播とともに、接着剤の種類も増えていったのだ。牛乳や海苔からも天然接着剤は作られていた。明治時代にかけてこれらは接着剤の主流として日本文化を支えていく。近代になり天然ゴムやシェラックといった自然由来の接着剤が海外から導入され、昭和のはじめまでには、日本でも合成接着剤が登場。尿素樹脂、メラミン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂などを原料とした接着剤が生まれ、現在に至るまで進歩は留まることがない。現在の接着剤は木工や家庭での使用から、建築、自動車、航空機、造船、ロケット産業まであらゆるもの作りのシーンでなくてはならないものとなっている。
木工系
具作りなどの木工をする人にはなじみ深い接着剤。多用途化した製品もある。
タイトボンド・オリジナル
タイトボンドⅡ・プレミアム
タイトボンドⅢ・アルティメット
ボンド 木工用
ボンド 木工用速乾
ボンド 木工用多用途
ボンド 木工用プレミアム
ゴリラ ウッドグルー
多用途系
木、布、紙といった基本的な素材に加えて、金属、陶器、セラミック、タイルなど広範囲に接着できる高性能接着剤。
ボンド ウルトラ多用途S・U
スコッチ 超強力接着剤 プレミアムゴールド スーパー多用途2
スコッチ 強力接着剤[多用途]
ボンド G17
ボンド Gクリヤー
ゴリラグルー クリア
接着剤は薄く均等に塗ろう
接着剤によって使い方が違うので、それぞれどんな方法で使うか、説明をよく読んでおく。そのため、接着剤のパッケージや台紙は捨てないでとっておいたほうがいい。接着する材の面はきれいな平面にしておくこと。でこぼこだったりざらついていると、うまく接着できない。荒材の場合は、カンナを掛けるか、サンディングして、きれいな平面を作ってから接着する。接着剤はできるだけ薄く均等に塗るのが原則。接着面には単に接着剤を置くのではなく、指先やハケでならしたり、ヘラが付属しているタイプでは、そのヘラを使って接着剤を薄く均等にならして塗る。