きっかけは趣味の竹細工で大量に出る端材をエネルギーに変換するため。手始めに小さなロケットストーブを作り、その後は薪ストーブ、焚き火台……、気づけば数々のアウトドア用の燃焼アイテムを自作していた。
「私は根っからの焚き火人間ではないんですけど、キャンプ仲間がみんな好きで」と話す西川さんが気の合う仲間と集い、火を楽しむために作った作品の一部を紹介しよう。
【フォトギャラリー】
ガソリン缶で作る薪ストーブ
自作ティピー(後述参照)の中で使うことを目的として作られた薪ストーブ。本体には10Lサイズのガソリン携行缶(通称:ジェリカン)を使っており、溶接は行なわず、ビスやボルトのみで組み立てられているのが特長だ。焚き口と吸気口の穴はディスクグラインダーでカット。扉の蝶番は、板金屋の手伝いで培った経験を生かし、ステンレス板で自作した。また、燃焼室の上部と後部に鉄板を入れ、蓄熱効果を高めたのもポイント。
鉄角パイプで作るロケットストーブ
長さ1m、厚さ3mm、10×10cmの鉄角パイプが本体。薪ストーブと同様溶接はしておらず、鉄角パイプに切り込みを入れてL字に折り曲げ、ビス留めだけで組み立てた。ヒートライザーとなる部分には蓄熱効果を期待し、鉄角パイプの内側と外側に煙突パーツを取り付け、三重構造に。ゴトクのすぐ下まで火が上がることもあるそうで、コンパクトサイズながら料理もバッチリな実用的なロケットストーブに仕上がった。
ステンレス水筒で作るミニロケットストーブ
西川さんの燃焼器具製作における処女作がこちら。市販のネイチャーストーブからヒントを得て、二重構造のステンレス製水筒をベースにした、小型鍋専用ロケットストーブを作った。トップと底に穴をあけ、側面に焚き口を作り、ゴトクと脚を取り付ければもう完成。コーヒー1杯分のお湯なら難なく沸かすことができるようだ。
竹細工の端材があれば一発で着火できる!
西川さんが趣味にしている竹細工では、材料として使えるようにするまでの加工で大量の端材が出る。これを燃料に使えないかと思ったのが西川さんのストーブ作りのきっかけなのだが、実際に焚きつけとして使ってみると効果バツグン! 「まず失敗することはありませんね」と、太鼓判を押していた。
【製作者Profile】
西川大助さん。埼玉県所沢市で塗装業を営む。43歳、ストーブDIY歴は2年。趣味はツーリングキャンプに竹細工。いつも設計図は書かずに、その場の思いつき、現物合わせでもの作りを楽しんでいる。
西川さんのブログ
*掲載データは2015年10月時のものです。
写真◎門馬央典、製作者提供