木工を中心にいろいろな家具作りに取り組んでいると、ふと「この家具を自由に動かせると便利だろうなあ」と思うことがあるはず。そんな思いを簡単に実現してくれるのが、キャスターの活用だ。
キャスターの働きと選び方
ほとんどの家具は面で床に接していて、大きな家具になると大人ひとりで動かすことは難しい。そこでキャスターの登場だ。作品の底面にキャスターを取りつければ、誰でも簡単に押したり引いたりすることができるようになり、利便性が大幅にアップする。
ひと口にキャスターと言っても直径・形・機能など種類が豊富で、自分で作った家具にキャスターを取りつけようと思ったとき、どれを選べばいいのか迷うことが多い。キャスター選びの簡単なポイントは、キャスターが転がる場所の状態に合わせて車輪のサイズを選ぶといいだろう。
たとえば、室内のフローリングの上で使うなら、キャスターの直径が35mm以上あればスムーズに動かすことができる。ウッドデッキのようなラフな床面では直径60mm以上、ガーデンの締まった土の上だと直径100mm以上あると動かしやすい。
キャスターのタイプとストッパー機能
キャスターには車輪が前後にしか動かない固定タイプ、台座にベアリングがついて360度方向を変えることができる自在タイプがある。普通の家具にはキャスターを4個つけるが、4個すべてを固定タイプにすると、前後にしか動かせない。自在に動かしたいときは4個を自在タイプにすればいい。自動車のように進行方向をコントロールしやすくするなら進行方向前側の2輪を自在タイプに、後側の2輪を固定タイプにする。作品と使用場面に応じてチョイスしよう。
また、それぞれキャスターにはストッパー付きのバリエーションもあり、車輪近くにあるレバーの操作でブレーキを掛けておくことができる、4輪のうち2輪をストッパー付きにしておくと作品の位置を確実に固定でききる。
*掲載データは2017年8月時のものです。