達人に訊く
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2022/2/14 18:18

DIY用のキャスター&タイヤの種類と選び方を解説!・前編/ドゥーパ!資材館(13)

木工を中心にいろいろな家具作りに取り組んでいると、ふと「この家具を自由に動かせると便利だろうなあ」と思うことがあるはず。そんな思いを簡単に実現してくれるのが、キャスターの活用だ。

 

キャスターの働きと選び方

ほとんどの家具は面で床に接していて、大きな家具になると大人ひとりで動かすことは難しい。そこでキャスターの登場だ。作品の底面にキャスターを取りつければ、誰でも簡単に押したり引いたりすることができるようになり、利便性が大幅にアップする。

ひと口にキャスターと言っても直径・形・機能など種類が豊富で、自分で作った家具にキャスターを取りつけようと思ったとき、どれを選べばいいのか迷うことが多い。キャスター選びの簡単なポイントは、キャスターが転がる場所の状態に合わせて車輪のサイズを選ぶといいだろう。

たとえば、室内のフローリングの上で使うなら、キャスターの直径が35mm以上あればスムーズに動かすことができる。ウッドデッキのようなラフな床面では直径60mm以上、ガーデンの締まった土の上だと直径100mm以上あると動かしやすい。

ガーデン作業用のカート。土の上を移動するために直径220mmの大型空気タイヤを採用している

 

キャスター付きのキッチンカート。スムーズなフローリングの上で使用するため、35~50mmのキャスターが最適。さらに、外からキャスターが見えにくくなるようにデザインしている

 

ウッドデッキや締まった土の上で使うために作られたガーデンキッチンワゴン。ラフなコンディションに対応するため、100mm以上のキャスターを採用している。状況によっては空気タイヤの採用を考えてもいい例

 

キッチンで使うことを想定したキャスター付き分別カート。こちらもフローリング上での使用が前提のため、デザインをそこなわない程度の小型サイズを取りつけている

 

キャスターのタイプとストッパー機能

キャスターには車輪が前後にしか動かない固定タイプ、台座にベアリングがついて360度方向を変えることができる自在タイプがある。普通の家具にはキャスターを4個つけるが、4個すべてを固定タイプにすると、前後にしか動かせない。自在に動かしたいときは4個を自在タイプにすればいい。自動車のように進行方向をコントロールしやすくするなら進行方向前側の2輪を自在タイプに、後側の2輪を固定タイプにする。作品と使用場面に応じてチョイスしよう。

また、それぞれキャスターにはストッパー付きのバリエーションもあり、車輪近くにあるレバーの操作でブレーキを掛けておくことができる、4輪のうち2輪をストッパー付きにしておくと作品の位置を確実に固定でききる。

キャスターの組み合わせ例。進行方向に自在タイプのキャスターを選び、ひとつはストッパー付きを選択。進行方向後ろ側は固定タイプを選ぶのが一般的だ

 

前述のガーデンキッチンワゴンへのキャスターの取りつけ方。写真左側が進行方向で、前側ふたつは自在タイプ(片方はストッパー付き)。写真右側の後部のキャスターは固定タイプにして、移動をコントロールしやすくしている

*掲載データは2017年8月時のものです。