はじめは二層式の窯を作り、薪を焚いてピザを焼いていたFさんだが、住宅街ゆえに煙の行き先が気になって、落ち着いて楽しめない…。そこで、せっかく作った窯を解体することを決意。炭火でピザが焼ける単層ドーム型の窯に作り直したことで、心おきなく窯焼きピザの味を堪能できるようになったというわけ。
窯のサイズは内径約600mm、外径約900mm、内高約370mm、外高約480mm。窯口は幅約450mm、高さ約230mm(最高部)

<DATA>
製作者…Fさん(57歳/公務員/埼玉県東松山市)
材料費…約1万円(既存の土台、炉床を除く)
製作日数…約10日
主な使用資材…
耐火レンガ約80個(既存の炉床を含む)、耐火キャスタブル、花壇用石材、割れタイル、コンクリートボンド、コンクリート平板、コンクリートブロック、鉄筋、モルタル、セメント、砂、砕石、ゴロタ石
しばらく雨ざらしにしていたら、窯のタイルの目地がヒビ割れたので屋根をつけた。屋根の下地には、不要になったベッドの床のスノコがそのまま使えた。屋根材はオンデュビラタイル
壁面はかわいく装飾
製作者のFさんいわく、炭火でピザを焼くためのポイントは、窯をあまり大きくしないこと。そして、ブロワーで風を送り続けて火勢を強く保つこと。
「最初はドライヤーを使ってたんですが、ピザを焼くまでに3時間ぐらいかかって大変でした。で、ブロワーならどうだろうと、ホームセンターで3000円程度のものを買って使ったら、1/3の時間でピザが焼けるようになったんです」
煙が出ない窯のおかげで、近隣に気を遣うことなく、息子さん夫婦、娘さん夫婦とのピザパーティーを楽しめるようになったFさん。みんなから“窯じい”と呼ばれるのも、まんざらでもなさそうだ。

Fさんちの窯作りダイジェスト
<窯を作り直す>
01 土台と炉床は、前身の2層式窯のものをそのまま活用(土台はコンクリートブロック3段積みの上に30×300×900mmのコンクリート平板を3枚並べた。炉床は耐火レンガ2段積みで、上段の中央部には耐火キャスタブルで作った板をはめている)。その上に、花壇用カーブ石材2個をモルタルで接着して、窯口のアーチを作る 02 半割りの耐火レンガを円形に並べる 03 泥ダンゴを積み重ねて、ドームの型を作る 04 型に濡らした新聞紙をかぶせる 05 型に合わせて半割りの耐火レンガを並べる。目地はモルタル 06 全体にモルタルを塗り、きれいなドーム形に仕上げる 07 モルタルが固まったら、コンクリートボンドで割れタイルを張り、ホワイトセメントで目地を埋めて完成 *一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。
Iさんちのピザ焼き実況中継
<窯の準備>
01 この火おこし器に炭を入れ、キッチンのガスコンロで火をおこす。炭は熱効率がいいオガ炭を使う 02 着火した炭を窯に入れたら、電動ブロワーで送風し、火勢を強める 03 炭で窯を温めるための秘密兵器、自作ブロワースタンド。使わないときは蝶ネジをゆるめて折りたためる 04 炭を追加しながらブロワーで送風し続けると、1時間ほどで窯が温まる。ドームの外側が触れなくなるくらい熱くなるのが目安。炭の使用量はだいたい8kgぐらいだそう <ピザを焼く>
01 ピザを焼く前に、「豚バラ肉とゴロゴロ野菜のフライパン焼き」をやるのが、Fさん家のピザ窯パーティーの恒例。炭の上にフライパンを載せる 02 5~6分で焼き上がる。具材は、前日に塩をすり込んでおいた豚バラ肉とレンコン、タマネギ、ジャガイモ、ブロッコリー、マッシュルーム。塩コショウとオリーブオイルをかけて窯に入れるだけ 03 続いて、いよいよピザを投入。生地は当日の朝に打って、2時間ほど発酵させたもの。炭を端に寄せ、中央にピザを置く 04 3~4分で焼き上がる。1回のパーティーで7枚ほどのピザを焼くそう 05 このピザカッターもFさんの手作り *一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。
*掲載データは2016年6月時のものです。