ナポリピッツァの特徴は、ふっくら膨らんだ縁の部分。そのコルニチョーネ(イタリア語で額縁の意味)と呼ばれる縁の食感や、シンプルなトッピングゆえに堪能できる生地の風味など、本格ナポリピッツァならではの美味を家庭で味わうために作ったふたつの窯を紹介。
*Case1「タイル張りが美しい耐火レンガのドーム窯」の作り方はコチラ
Case2 赤レンガで覆ったキャスタブルのドーム窯
Mさんもまた、前回のIさん同様、ナポリピッツァに魅了されて窯を自作。重厚な窯が木陰にたたずむさまは、本場ナポリの片田舎の風景のようで、眺めているだけでビールがおいしくなりそう。さらにテーブルにはこだわりのナポリピッツァが並ぶわけだから、それはもうたまらない。Mさんは、続くときには毎週のように、ここで家族や友人に本格ナポリピッツァを提供するという。
窯はもともと、キャスタブルで成形したドーム部分がむき出しの状態だったが、それでは断熱性が低く高温を保ちにくいため、周囲を赤レンガで囲み、すき間にパーライトを充填して長時間活用できる窯にグレードアップした。ドームのサイズは内径約1000mmと大きめ。前日から薪を燃やし、この大きな窯をしっかりと温めておいて、1分~1分半ですばやく焼き上げるのがMさんのナポリピッツァだ。
生地作りにもこだわりが見られる。使用する小麦粉とビール酵母はナポリ製、生地をこねるのは本場ナポリピッツァでも使われるスパイラルミキサーという具合。
「最初はナポリピッツァが好きなだけだったんですけど、自分で焼くようになってどんどんハマっちゃって、いろいろこだわるようになりました」
そう語るMさん、実は今、ナポリピッツァの店を開く計画を立てているのだとか。窯の自作から始まった新たな楽しみが、さらに大きく広がろうとしている。
Mさんの窯の構造図(側面) *単位はmm
<DATA>
製作者…Mさん(51歳/会社員)
材料費…約12万円
主な使用資材…
耐火レンガ66個、耐火キャスタブル10袋、赤レンガ約150個、パーライト450ℓ、コンクリートブロック、土のう袋、セメント、砂、砕石、割栗石
Mさんちの窯作りダイジェスト
<土台を作る>
<ドーム窯を作る>
<断熱層を増設する>
*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。
Mさんちのピザ焼き実況中継
<窯の準備>
<ピザの準備>
<ピザを焼く>
*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。
写真◎門馬央典(製作中カットは製作者提供)
*掲載データは2016年6月時のものです。