事例集
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2022/5/8 14:14

荷室をフル活用!長旅仕様のDIY軽キャンパー/拝見!自慢の車中泊カスタム(4)

愛車の荷台・後部座席をDIYで車中泊仕様にカスタムしたアイデア実例集。すぐにでも真似したくなる、五人五色の車中泊事情をお届けします!

 

File4 約2.5平米の荷室をフルに活用した長旅仕様の軽キャンパー

通常モード。運転席後部に遮光カーテン、窓にはお手製の断熱シェードでプライベートの確保はばっちり

 

フルオープンモード。収納付きベッドとテーブルを展開した様子。リア側がくつろぎスペースになる。頭が天井にあたらないギリギリのサイズに設計されている

 

<User&Car Data>
製作者…Fさん(65歳)
ベース車…スバル・サンバーバン
製作費用…約25万円
製作期間…約3カ月

 

長年の夢だった日本一周の旅に向け、リタイアを機に軽商用車の車中泊カスタムを始めたFさん。12mm厚合板+クッションフロアによる床張り、シンクとソーラーシステムを組み込んだギャレー、収納付きスツールなどを製作し、まずは10日間のお試し車中泊。すると、車中泊生活をするうえではいくつか改善が必要だと感じ、本番の旅に出る前に大幅な改装を施した。

それまでは床にマットを敷いて寝ていたが、就寝前の車内の整理整頓が思った以上に手間で、マット自体も大きな荷物に。衣類や生活用品といった大量の荷物がしまえるスペースを増やす意味も込めて、収納付きのソファベッドを製作。そして、キャンプ場以外では炊事を行なうことがなく、汚水の処理も長旅では面倒だったためギャレーは撤去。ソーラーシステムの収納ボックス兼テーブルに作り変えた。

改装を終えたあとはいよいよ本番。東西に分けて全国を回り、旅は約9カ月かけて見事に達成。現在もそのときの経験をもとに、のんびりと2周目の旅を楽しんでいるそう。

 

収納ボックスはもともと車内にあった荷物固定用のフックに引っかけて固定。扉がテーブルの天板になる。脚は裏面の受けに丸棒をはめる仕組み

 

収納付きソファベッド。跳ね上げ式の側板を展開すると、幅700×長さ1700mmのベッドになる。マットは天板にウレタンチップスポンジ(20mm厚)、高弾性ウレタンスポンジ(10mm厚)の順に重ね、厚手の布でカバー。取りはずすと収納ボックスとして使える

 

車内右側面にアイソレーター(走行充電器)、350Wのインバータ、チャージコントローラ、電流測定用シャント抵抗器、80Ahのディープサイクルバッテリーなどを収納。使用パネルは80Wの多結晶系で、パネルのコードはバックドアの側面から引き入れている

 

シェードも自作品。キルティング生地と遮光カーテンの裏地を縫い、窓のサイズに合わせて裁断。縁はバイアステープで処理。最後に固定用の吸盤を取りつけた

 

こちらが改装前の車内。右側にあるのがシンクとソーラーシステムを組み込んだギャレー

 

Fさんの車中泊エピソード

日本一周で気づいた点に手を加えて2周目にチャレンジしています

「車中泊場所は道の駅がほとんどでした。北海道は無料のキャンプ場が多く、同じ旅人からいろんな話が聞けたし、訪れたのが5~8月だったので花がきれいで非常によかったですね。夏~冬前は西日本を回りましたが、車中泊は暑さがつらいです。スライドドアに取りつける網戸と換気扇も作りましたが、どうしようもないときはビジネスホテルやネットカフェに避難することもありました。また、寒い時期はシェードや遮光カーテンだけでは窓の結露は防げなかったので、何か対策できないかと考えています」

「電気は走行充電も行なっていましたが、それでも電力不足になることがしばしばありました。古いノートパソコン(消費電力40W)、さらに旅の後半はポータブル冷蔵庫(エンゲル製)も使っていたからでしょうね。パネルとバッテリーはなるだけ容量の大きなものを選択したほうがいいと感じました」

 

*掲載データは2017年6月時のものです。