事例集
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2022/5/20 17:17

仲間と協力して建てた古民家風のロフト付き囲炉裏小屋/わが家に居酒屋&バーを作ろう!(3)

本格的なショットバーのように特別かしこまることなく、仲間と好きな酒を好きなだけ飲める自分仕様の宴の舞台、DIYで実現してみませんか?酒飲みのロマンが詰まったプライベート酒場の作り方、そのヒントを教えます。

 

File03 仲間と協力して建てた古民家風のロフト付き囲炉裏小屋

ロフトには自作のハシゴをかけて上がる。広さは1階部分のおよそ半分(約3畳)。1階からの高さは2050mmあり、圧迫感もない

 

玄関の障子戸は築100年以上の古民家の解体時に出た頂きもの。デッキの屋根やフェンスには竹を使ってデザインのアクセントに

 

<DATA>
製作者…Wさん(47歳)
DIY歴…5年
製作費用…約30万円
製作期間…約2年

 

地域の消防団仲間と一緒にWさんが建てた囲炉裏小屋。自宅から少し離れた畑の中に建つこの小屋の場所には元々古い納屋があり、当初はただ単に農具を入れるための物置に作り変える予定だったが、みんなでアイデアを出しながら作業を進めていったら、いつの間にか毎週のように仲間が集える飲み場所ができあがってしまった。

これまでWさんはDIYの経験がほとんどなかったため、構造は日本の伝統的な在来工法ではなく、より作りやすい2×4工法を採用。実際に各地にある古民家を訪れては完成イメージを膨らませ、以前のロフト部分以外にもあえて梁を見せるように渡したり、一部は土間にして納屋の解体時に出た古材を壁に張るなどして古民家風に演出した。また、単調なデザインにならないように、外壁はスギ板の鎧張りと漆喰の壁塗り仕上げをミックス。内壁は耐火性を持たせるために石膏ボードを使い、腰壁と漆喰(天井は珪藻土)で仕上げている。内壁・床・天井にはすべて断熱材を入れているので、囲炉裏で火を熾せば冬でも快適に過ごせるそうだ。

 

POINT1 小屋のメインとなる囲炉裏は防火性にこだわる

炉縁はケヤキ材で製作。サイズは内寸700mm角、深さ約200mm

 

約6畳ある室内の床張り部分(約4.5畳)の中央には埋め込みタイプの囲炉裏を設置。床を開口後、コンクリートブロックで立ち上げた土台にレンガを敷き詰め、さらに万全を期してケイカル板を入れてから灰を充填している。さらに換気扇、サッシ窓を多めに設置し、防火・排煙にはとくに注意を払った。

 

天井から吊るしている自在鉤はオークションで入手。木彫りの魚は友人からもらったものを取りつけた

 

POINT2 畳敷きのロフトはマルチに使えてとっても便利

ロフトは梁に下地となる合板を張り、琉球畳を敷き詰めて製作。家族連れの子どもたちの遊び場、飲み過ぎた人の休憩所、さらには漆喰の白い壁をそのままスクリーンに映画を楽しんだりと、当初の構想ではロフト製作する予定はなかったが、さまざまな形で活躍しているようだ。

 

フェンスの一部には竹を使用。窓も多く明るい印象だ

 

POINT3 味のあるアイテムで収納&水回りを作る

シンクはステンレス製の箱の形をした廃材を改造したもので、底に穴をあけ、排水口と排水ホースを取りつけ、木材で枠と脚を組んで製作した。水源はポリタンク。主に手洗い場として使っているので構造はシンプルだ。さらに、解体前の納屋にあったという古い収納箱を食器棚兼食品庫として使用。どちらも見た目にいい味が出ており、古民家風の演出にひと役買っている。

 

木製の古い収納箱。扉がすべてはずれてしまうので、今後改良する予定なのだとか

 

水回り。なお、シンク下にある銀色の箱は古い氷式冷蔵庫。骨董品屋でひと目ぼれして購入したものだが実際に使ったことはまだないそう

 

写真◎清水良太郎/製作者提供

*掲載データは2017年12月時のものです。