ウッドデッキを作るなら、あるいは既にデッキをお持ちなら屋根をつけて、雨天でも使える空間にしてみてはいかがだろうか。
さらに、ちょっとした壁をつければ、適度な開放感とプライベート感を両立する半野外空間が生まれる。
内でもなく、外でもない、風が通り抜ける居心地のいい場所。きっとそれは、ライフスタイルを変えてしまうほどに、効果的なスペースとなるだろう。
そして、そんな魅力的な空間は、十分、DIYで作ることができる。
方法はいろいろあるが、ここでは創刊以来14年にわたってノウハウを蓄積してきた本誌が、もっとも現実的と考える手順を、モデルケース図を使って詳しく紹介していこう。
*step1~2・根太の仮設置編はコチラ!
<記事内ギャラリー>
Step3 四隅に基礎石と柱・束柱を設置する
根太の四隅の下に穴を掘り、砕石を入れて突き固め、羽子板つき基礎石を設置して、柱・束柱を立てる。
穴は広めに掘っておくと、柱・束柱が垂直になるよう調整する際に、基礎石を動かしやすい。砕石を突き固めるには、タンパーを使うと作業しやすい。
家から遠いほうの2本の柱の長さは、屋根の高さを基に決める。この2本の柱と上端がそろうように桁をつけ、その上に垂木を載せ、その上に屋根を張るから、思い描く屋根の高さから垂木の厚さを差し引けば、床面から上の柱の高さとなる。それに基礎石から床面までの高さを加えれば、必要な柱の長さをはじき出せる。
家側の柱のうち一方は、壁を張る際の支柱にするため、思い描く壁の高さに、基礎石から床面までの高さを加えれば、必要な長さがわかる。
家側のもう一方の束柱は、上に床板を張るので、根太の上端より10mm程度低くなるよう長さを決める。
羽子板つき基礎石と柱・束柱の設置手順
タンパーは自作も可能
地面や砕石を突き固めるために使う道具、タンパー。もちろん市販品は効果抜群だが、枕木など重量のあるものに持ち手として垂木などをつけた自作品でも代用できる。
柱の長さ=床面から上の高さ(自分で設定)+基礎石から床面の高さ(実測)
床面から上の高さは、自分が設定した屋根の高さや壁の高さから計算できる。基礎石から床面の高さは、実際に基礎石から根太の上端までの高さを測り、さらに床板の厚さを加えたもの。これらを合わせれば、必要な柱の長さとなる。
たとえば、屋根の高さが2200mm、屋根の下の垂木の厚さが89mm、床板の厚さが38mm、基礎石から根太上端までの高さが175㎜とすると、(2200ー89)+38+175=2324で、柱の長さは2324mmとなる。
Step4 すべての基礎石と柱・束柱を設置する
四隅以外の位置に基礎石(コンクリート平板)と柱・束柱を設置する。
束柱の間隔は600~1200mmが目安なので、それに合わせてまんべんなく配置する。
束柱の長さは、1カ所ごとに基礎石から根太上端までの高さを測り、それより10mmほど短くする。
なお、桁をつける2本の柱と同一線上に、壁の支柱となる柱を1本立てておく。
基礎石(コンクリート平板)と束柱の設置手順
ゆっくりコツコツ派はこちら!
根太を1本ずつ設置して土台を完成させる方法
ここまで紹介してきた土台作りの方法は、まず根太を組んで、一気に全体の水平を出すという、いわば力技。早さは抜群だが、デッキの面積が巨大な場合や人員が少ない場合には、やりづらいかもしれない。
そこで、土台作りの方法をもうひとつ紹介しておこう。根太を1本ずつ設置していくので、少人数でコツコツ作業するには適した方法といえる。最初に施工する家側の列だけ先に基礎石と束柱を設置するが、あとはやはり根太を基準にして基礎石と柱・束柱を設置していく。
なお、この方法では、最初に設置する列のみ、すべて羽子板つき基礎石を使用したほうが作業しやすいだろう。
Step1 家側の列に基礎石と束柱を設置後、根太を水平に仮留めして墨つけする
Step2 根太と束柱をいったんはずし、墨線に合わせて接合する
Step3 再び束柱を基礎石に固定、長い柱と基礎石を設置する
Step4 2本目の根太を水平に仮留めする
Step5 2本目の根太に柱・束柱と基礎石を設置する
Step6 同様にして残りの根太を組み、柱・束柱と基礎石を設置する
*掲載データは2011年2月時のものです。
イラスト◎丸山孝広