ウッドデッキを作るなら、あるいは既にデッキをお持ちなら屋根をつけて、雨天でも使える空間にしてみてはいかがだろうか。
さらに、ちょっとした壁をつければ、適度な開放感とプライベート感を両立する半野外空間が生まれる。
内でもなく、外でもない、風が通り抜ける居心地のいい場所。きっとそれは、ライフスタイルを変えてしまうほどに、効果的なスペースとなるだろう。
そして、そんな魅力的な空間は、十分、DIYで作ることができる。
方法はいろいろあるが、ここでは創刊以来14年にわたってノウハウを蓄積してきた本誌が、もっとも現実的と考える手順を、モデルケース図を使って詳しく紹介していこう。
*step1~2・根太の仮設置編はコチラ!
*step3~4・基礎と束柱の設置編はコチラ!
*step5~6・床板~桁の設置編はコチラ!
*step7~8・垂木と桁の続き~桟と幕板の設置編はコチラ!
<記事内ギャラリー>
Step9 屋根を張る
骨組みの上に屋根を張っていく。屋根材はいろいろあるが、ここでは中空ポリカを使用する。
アクリル板や標準タイプのポリカーボネート板など、平板状の屋根材なら、同様の手順で施工すればいい。
なお、波板状の屋根材を使用する場合は、骨組みに横桟を追加する必要がある(後述参照)。
屋根上の作業は合板に乗って行なう
下列と上列が重なる部分をコーキングする
中空ポリカの継ぎ目をコーキングして上にアルミ板を張る
さらに防水に念を入れたい場合は、雨押さえを使う手もアリ
雨漏り対策を万全にしておきたいという場合には、雨押さえを追加してみては。雨押さえは、本来、戸袋や土台の上に雨が回り込むのを防ぐ資材だが、今回のケースでは家の壁と屋根材の接点のカバーとして、効果を発揮する。
やっぱり定番は捨てがたい!?
波板を屋根材に選ぶなら…
自作屋根や簡易的な屋根で使われる屋根材といえば、もっともポピュラーなのが波板。なんといっても安価なのが魅力だ。材質は塩ビ、ポリカーボネート、トタン、ガルバリウムなど、いろいろ選べる。
前述で触れたように、波板を屋根材に選ぶなら、骨組みに横桟を追加する必要がある。波板がたわむのを抑えるため、横方向にこまめにクギを打たなければならないからだ。
また、波板の場合は、形状的に、平板よりも壁との接点をコーキングするのが難しい。接点の上に2×4材などをかぶせ、その材と壁との接点をコーキングするなどして雨漏り対策をしよう。前述で紹介した雨押さえをつけるのも有効だ。
Step1 垂木の上に横桟を接合する
Step2 波板を張る
波板ミニカタログ
ひとくちに波板といってもいろんな種類があり、見た目も性能もさまざまだ。
Step10 壁をつける
最後に、あらかじめ立てておいた壁用の支柱と屋根の支柱に1×4材などを張り、簡易な壁とすれば、適度なプライベート感を得られるし、空間を演出するための素材としても使える。
さらに、壁をつけることで構造物全体の強度が上がるというのも重要な点だ。
高い位置まですき間なく板材を張っていけば、まさに壁のようになるし、低めにしたり、板と板の間にすき間を空けたりすれば、壁というよりもフェンスと呼ぶほうがふさわしくなる。そのあたりは、周囲の環境も踏まえてプライベート感と開放感のバランスを考慮したり、デザイン的な好みを反映させたりして決めるといいだろう。
壁をつけ終わったら、いよいよ完成。これからこの空間をどのようにアレンジするかは、オーナーのセンス次第だ。
壁アレンジ術ウォッチング
「さて、完成した半野外空間をどのようにアレンジしようか。とりあえずテーブルとチェアを持ち出して、照明を吊るして…」と、アイデアはいろいろ広がるに違いないが、そこで忘れちゃいけないのが壁。ぜひ壁を上手に活用して、居心地バツグンの空間を作ろう。というわけで、壁のアレンジ例を少しだけご紹介。
*掲載データは2011年2月時のものです。
イラスト◎丸山孝広