蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!
最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をお届け。
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*蝶番の基本的な取りつけ方はコチラをチェック!
Hinge 8 トルク蝶番
フリーストップ蝶番と同様に開閉の途中で任意に止めることができる蝶番。こちらはステンレス製で、トルクも高いので、屋外でも使用できる。窓に使えば窓の開閉角度を自由に設定できる。
サイズの割にはがっちりとした作りのトルク蝶番。蝶番の真ん中にある、かしめてある部分が蝶番の動きをきつくするダンパー部分。より大きなトルク蝶番では、このダンパー部分がボルトで可動でき、トルク調整できるモデルもある
羽根が閉じた状態。ここから下の写真のように180度開くまで、任意の場所で止めることができる 羽根が180度で開いた状態 羽根を閉じていく途中で固定することができる 羽根が90度閉じた状態。右の羽根に固定した材が下がることはない こんな角度でも開閉を止めることができる
取りつけ作業例
01 2枚の材の上に、曲がらないように正確に仮置きする。スコヤを使ってずれないようにしている 02 片方の羽根のビス穴に下穴をあけていく 03 片方の羽根のビス留めができたら、軸の太さ分材を離して反対側の羽根に下穴をあけ、ビス留めする。材同士のすき間は正確に平行になるように注意する 04 片方の羽根で90度。両方の羽根を開けば、前述のように材を180度で閉じることができる
Hinge 9 ピアノ蝶番
ピアノのフタのように長い部材を、しっかりと支えるための蝶番。長蝶番とも呼ばれている。長さがあるので、少しでもずれて取り付けると、ゆがんで開閉できなくなる。取り付けは注意深く行ないたい。
薄く、幅も狭く、その上長さもあるので、ビス留めの力の入れ具合を均等にしないと羽根がゆがんで開閉できなくなるほどデリケート。しかし取り付けた作品には高級感が漂う
羽根自体が薄いので、突きつけで真っすぐ留めれば、彫り込まなくてもそれほど違和感はない。彫り込んで取り付ければ、より精巧な仕上がりになる。宝石箱や手の込んだ小箱などに使うときは彫り込んで精度を上げた仕上がりにしたい
軸が長い分、回転に掛かる摩擦が軽減されるので、開閉は軽くスムーズになる。しかし、一部分でもゆがんでいると、開閉できなくなるので、くれぐれもビスの締め具合は全体で均一になるように注意する
取りつけ作業例
01 ピアノ蝶番の羽根は片列ずつ固定していく。下穴もまず片列にあける 02 ビスは手回しのドライバーを使いビスを1本ずつ、締める力が均一になるようにていねいに締めていく 03 突きつけで蝶番を取り付ける場合でも、材と材の間隔は軸の太さ分を、平行にあけて羽根の位置を決める 04 ビスは終始、手回しのドライバーを使って締める。ビスが小さいのでドライバードリルを使うと、締め終わった段階で、羽根にゆがみが出る可能性があるからだ。羽根がゆがむと、蝶番は開閉できなくなる *小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。
*掲載データは2014年8月時のものです。