蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!
最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をお届け。
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*蝶番の基本的な取りつけ方はコチラをチェック!
Hinge 10 曲がり蝶番
扉板を上下ではさむタイプの蝶番。少し古いキャビネットなどによく使われていた。そのため、あえて曲がり蝶番を使うと作品にレトロな雰囲気を持たせることができる。
蝶番のイメージとは違い、部材の上下に取り付けるのが曲がり蝶番。最近の住宅ではあまり見ないタイプのレトロな雰囲気を持った蝶番だ
蝶番の軸がはみだして固定されるのが、曲がり蝶番のデザイン上の特徴 突きつけで取り付けると、写真のように左右はぴったり収まるが、上下には羽根の厚さ分のすき間ができる。気になる場合は、新しい扉板を用意し、枠と扉を掘り込んで、修正すればいい
取りつけ作業例
01 取り付ける位置を決めたら、曲がり蝶番を写真のように広げて置き、下穴を打つ 02 本体側を付属のビスで、しっかりと留める。このビス打ちでは、真っすぐビスを打ちにくい場所が多くなるが、ビスは真っすぐ打つようにする 03 いったん羽根をたたんで、その上に扉用の材を置き、扉側に曲がり蝶番の位置を墨つけする 04 墨つけにしたがって扉側の木口にビス留めする。最初の1本を締めるまで不安定な姿勢になるので注意して作業する 05 扉の上下に曲がり蝶番の取り付けが済んだら、扉の開閉を確認し、きつい場合はカンナで削って調整する 06 扉を開いたところ。扉が上下の木口部分で支えられている構造がよくわかる
Hinge 11 アクリル蝶番
基本的にアクリルの作品のフタに取り付けるためのアクリル製蝶番。平蝶番のバリエーションのひとつ。専用の接着剤で組み立てる。はじめてアクリルに触れる人には少し慣れが必要だが、慣れてしまえば非常に使いやすい素材だ。
透明のアクリル蝶番。専用接着剤で固定するので、金属の蝶番のようなビス穴はない。ホームセンターではクラフト用として羽根の長さが40mm程度のものが手に入る
こうして接着すれば、アクリルの作品にも違和感なく蝶番を取り付けることができる。接着も慣れれば簡単 木工のケースにアクリルの扉を取り付ける場合は、写真のように、木部側の羽根にビスの軸径より少し大きなビス穴をあければ、木部はビス、アクリル部は接着剤で固定できる
取りつけ作業例
01 アクリル蝶番には専用の接着剤を使うのが確実。接着剤をアクリル接着面に流し込む針つきの容器がセットになっている 02 アクリル板を蝶番を取り付ける状態にセットして、マスキングテープなどで動かないように仮止めする。蝶番を取り付ける裏側で仮止めするといいだろう 03 蝶番を取り付ける材が動いたり、蝶番の軸がずれたりしないように材と蝶番を置いて、蝶番と材のすき間に、小分けにした接着剤を入れた針つき容器の先端を当てると、針の先から表面張力の力で、接着剤が蝶番と材のすき間に流れ出し固定される。接着剤はさらさらなので、注入される時間はあっという間。そのため作業はすばやく行なう必要がある 04 接着剤はすぐに硬化するので、仮止めのテープをはがせば蝶番の取り付けが完了 *小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。
*掲載データは2014年8月時のものです。