蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!
最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をこれまでお届けしてきた。
蝶番以外の金具も種類が豊富で、これらを上手に使いこなせば、建具&家具作りの幅を広げてくれる。今回からは、そんなラッチ、落とし、戸車、ステー…といった建具・家具に使うアイテムを紹介。
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Hardware 11 棚受け
家具や収納スペースの棚板を支えるための金具。使い勝手をよくするためには強度を第一に考えるのが大切!
差し込み式の棚受けダボ。最も一般的なタイプで、棚の側板に穴をあけて埋め込む
受け座式の棚受けダボ。側板に埋め込んだメン(メス)に、オン(オス)をはめて棚受けにする
棚柱と呼ばれる、棚受けの一種。棚の数と位置を自由に決められるタイプで、重量のあるものにも対応できる
壁などに棚を吊るすために使う棚受けには、L字型、L字型に支えがついた三角形、プランターなどを載せるフォーク型、棚柱を立ててそこに棚受けを装着するものなど、さまざまな種類がある。
棚板の位置をいつでも変えられるようにはしたいけれど、作品をスマートに仕上げたいときに便利なのが棚受けダボだ。よく使われるのが上記写真の「差し込み式」や「受け座式」で、他にも先端にクギがついた「打ち込み式」などがある。ダボ穴はそれぞれ深さを一定にするのがポイント。市販のストッパーを装着するか、ビットにビニールテープを巻いて目印としよう。

折りたたみ式の棚受け。必要なときに起こして使うことができるので、狭いスペースで活躍する
細い角材を棚受けとして使用した例
L字のアルミアングルを棚受けとして使用した例
棚受けダボ(受け座式)の取り付け例
01 側板の内面に側板の下端の位置を墨つけし、側板とサシガネをあてがって、棚受けダボをつけたい位置に印をつける。今回は9mm径の棚受けダボを使用したので、1mm小さい8mm径のダボ錐ビットで穴をあける 02 当て木の上からカナヅチで打ち、メンをダボ穴に埋め込む。オンとメンを組んだ状態でも、メンのみでもどちらでもよい 03 メンを側板に埋め込んだ。ネジを回せばオンをはずせる 04 そのまま棚板を棚受けダボの上に載せてもいいが、棚板の裏面に棚受けダボがはまる溝を掘れば完成度が高まる。棚板をあてがい、棚受けダボの中心位置を墨つけ 05 サシガネを使って棚受けダボの中心位置を墨つけし、棚板をクランプで固定しながら墨線に合わせてトリマーで削る。棚受けダボと同じ9mm径ストレートビットを使用。出ししろはオンよりやや長い、10mmに設定 06 棚受けダボ用の溝が掘れた 07 ドリルで溝を掘る方法もある。棚受けダボの中心位置を墨つけした2枚の側板をクランプで固定する 08 2枚の板の墨線の合わせ目を9mm径のドリルで掘る。深さは10mm程度 09 これで一度に2枚の板に溝が掘れたことになる 10 溝に棚受けダボがはまるように棚板を載せて完了。さまざまな高さにメンを埋めておけば、オンをはめる位置によって、棚板の高さを変えられる
棚柱の取り付け例
01 内面を上にして寝かした側板に棚柱を載せ、棚板とサシガネをあてがって位置を決め、墨つけする 02 墨線にあわせて、棚柱をビス留めする 03 好きな位置に棚受け金具を差し込み、側板を載せる 04 これで完成。棚柱には上から下まで細かい間隔で金具の差し込み口があるので、棚板の高さを自由に変えられる *小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。
*掲載データは2014年8月時のものです。