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資本投資が168%増加! 勢いづくエジプトの「デジタル人材育成」

【掲載日】2022年5月23日

エジプト発のスタートアップ企業の台頭が際立ってきました。エジプトはデジタル人材の育成を国家的に強化しており、中東・アフリカ地域におけるエコシステムの勢力図を塗り替えそうな模様です。

中東・アフリカ地域のデジタル勢力争いに加わったエジプト

 

スタートアップ・エコシステムに関する政策の助言や調査を行うStartup Genomeが2021年に発表したレポートによれば、2020年度におけるエジプトのスタートアップ企業に対する投資額が前年度比で30%増加し、そのうちの約3割は海外からの投資でした。また、途上国のスタートアップ企業に関するデータを提供するMAGNiTTは、同国のエコシステムへの資本投資が2021年に前年比で168%増加し、5億万ドル(約645億円※)に近づいたと報告。これらはエジプトが持つ可能性の高さを如実に表しています。

※1ドル=約129円で換算(2022年5月16日現在)

 

エジプトは2016年に、経済やエネルギーなど幅広い分野を包括した国家戦略「ビジョン2030」を発表しました。この中で同国は2030年に実質GDPの成長率を発表時の前年比で12%増を目指すなど、野心的な目標を掲げましたが、その実現に向けた施策の中で特に注力しているのがデジタル化の振興。そこで不可欠になる人材育成にエジプトは国家レベルで取り組んでいます。

 

例えば、エジプトの通信情報技術省は、オンライン教育を提供する米国のUdacityと組み、デジタル技術を無償で学べる「Future Work is Digital(FWD)」と呼ばれるイニシアティブを2020年に開始。これは18か月間のプログラムで、学生は専門家による実践的なプロジェクトやウェビナーを受講できるうえ、メンターによるサポートや卒業時の就業サポートなどを受けることが可能。20万人以上の若者のITスキル向上を目指しており、ここでフリーランスとして活躍できる知識や技術、能力を身に着けることができた若者はすでに約7万3000人に上るとのこと。

 

また、国内企業のみならず海外企業のアウトソーシングに対応する人材の育成も包括しているFWDでは、情報技術産業開発局の支援により、学生を含めた1万人の若者に英語・フランス語・ドイツ語を教えるプログラムも2021年末からスタート。つまり、エジプトはデジタル業界を中心としたグローバル人材の育成において手厚いサポートを実施しているのです。

 

このような「デジタル・エジプト」の取り組みは、すでに海外で評価され始めています。米国の経営コンサルティング企業のA.T.カーニーが発行する2021年版グローバルサービス拠点インデックス(GSLI)では、中東・アフリカ地域からエジプトだけが上位20位にランクイン。同国の世界経済全体に与えるインパクトが、これから強まっていくと見られています。

 

アフリカにおけるスタートアップ企業の発展は、これまでナイジェリアやケニア、南アフリカで顕著でしたが、現在ではそこにエジプトが加わっています。デジタル戦略を推進する同国は勢いづいており、日本企業が中東・アフリカ地域への進出を検討する際にも、エジプトの人材は貴重な戦力になるかもしれません。

 

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