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アフリカでもっとも有名な日本企業ビィ・フォア―ド社長が語る、アフリカビジネスの最前線

2022/6/13

市場が拡大するアフリカで、ビジネスをしないのはもったいない!

井上 ビィ・フォアードがアフリカで事業を始められてから15年ほどになりますが、その間にアフリカの市場が変化している実感はありますか?

 

山川 もうぜんぜん違いますね。アフリカで事業を始めた当初から「これからミドル層が増える」と言われていましたが、予想をはるかに超えています。車を買うことができる人、購買意欲の高い人がどんどん増えていると実感しています。

 

井上 私もアフリカに行くたびに、スーパーなどで売られている商品などが増えていくのを見ていて、購買意欲の高まりを感じています。その中で今後、日本企業にとって特にチャンスがあるのはどのような分野でしょうか。

 

山川 私は、日本人は「仕組みづくり」が上手だと思っています。例えば、ビィ・フォアードにはたくさんのエージェントがいますが、どんな人でも作業ができるシステムを提供しています。一つの作業を終えないと次の作業ができない仕組みや、荷物のトラッキングシステムなどを、全てコンピューターシステムで管理しているんです。システムをつくるまでには2年半ほどかかりましたが、結果的にはスタッフたちのミスも減らすことができて、業務を効率化することにつながりました。このような仕組みづくりは日本人の得意分野で、今後も活かしていくことができるのではないでしょうか。

 

井上 最後に、山川社長が考えるアフリカビジネス面白さや魅力を教えてください。

 

山川 例えばアフリカの奥地にいる友人から「車の部品を送ってほしい」と言われたら、どうやって送りますか? 普通ならどこにどう頼めばいいのか、途方にくれてしまうと思います。しかし今、ビィ・フォアードのECサイトを使えば、現地にはない車の部品を探して、その友人がいる所まで届けることができます。このように、誰もどうしていいか分からないようなことをできるようにしていくのが、途上国・新興国のビジネスです。私たちも最初は手探りでしたが、現地で付き合いのある会社や人に相談しながらトライ&エラーを繰り返し、なんとか突破口を見いだしてきました。

 

井上 私たちは途上国への進出支援を行っていますが、途上国のビジネスチャンスに気づいていない企業や、心理的なハードルを感じている企業がまだまだ多いのが現状だと思います。今回のようにアフリカに進出している日本企業のリアルな話や、現地のビジネスに関する情報を広く知ってもらうことで、途上国ビジネスに挑戦する企業が増えていけばと考えています。

 

山川 私も同意見です。日本にいると、生活に必要なものはだいたい何でもそろっていて「モノがない」と感じることは少ないかもしれません。しかしアフリカなどの途上国や新興国では、日本で普通に手に入るモノが、自分たちの国でつくれなかったり、そもそも売られていなかったりすることもいまだに多い。このように「モノが十分にない」地域には、まだまだたくさんのニーズがあると考えられます。こんなにもチャンスがあるアフリカでビジネスしないのは、本当にもったいないこと。ぜひチャレンジしてほしいと思います。

 

【取材を終えて~井上編集長の編集後記】

今回取材をしてみて、一番印象的だったのが皆さんの顔です。社長はもちろんのこと、社員の方々も楽しそうな顔をされていました。会社が常に新しいことにチャレンジをしているからこそ、楽しんで仕事をしているのではないかと感じました。今の日本ではリスクをすぐ考えてしまいがちですが、高度経済成長期の日本企業は、ビィ・フォア―ドのようにリスクを恐れずチャレンジしている会社が多かったと聞きます。あれこれ考えるよりも、まずはスピーディに事業を始め、走りながら1つひとつハードルを越えていくことが、途上国でのビジネスには必要なのかもしれません。

 

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撮影/干川 修 構成/土居りさ子(Playce)

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