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インドが中国を抜いてトップへ!「世界人口」がもうすぐ80億人に到達

2022/10/26

国連経済社会局人口部の『世界人口推計2022年版』によると、2022年11月15日に世界人口は80億人に到達します。その約6割はアジアに集中する一方、サハラ以南のアフリカ諸国などでは人口が著しく増加していく模様。ヒトへの投資がますます重視されています。

人口はあっという間に80億人へ

 

世界人口はわずか100年の間に爆発的に増加してきました。初めて10億人に達したのは1804年。その後、1927年には20億人となり、それから100年も経たないうちに、その数は4倍増えることになります。

 

ただし、多くの国で出生率が低下しているなどの理由で、増加率は鈍化。2030年には約85億人、2050年には約97億人、2080年には約104億人になると見られていますが、人口はその頃にピークに達し、2100年まで104億人の数字でとどまると国連は予測。

 

大陸別に見ると、アジアの人口が際立っています。世界人口推計で人口が最も多い国は中国(14億4850万人)で、次がインド(14億660万人)。そのため、米ポータルサイト・Big Thinkの概算によれば、アジアだけで世界人口の58%を占める模様で、アフリカでさえも2割にもなりません。対照的に人口が最も少ないのはオセアニアで、わずか4400万人。これは日本の首都圏の人口(2020年に4434万人)とほぼ同じレベルにあたります。

 

【大陸別の人口と割合(概算)】

1位 アジア(約47億人、58%)

2位 アフリカ(約14億人、17.5%)

3位 ヨーロッパ(約7.5億人、9%)

4位 北米(約6億人、7.5%)

5位 南米(約4.4億人、5.5%)

6位 オセアニア(約4400万人、0.5%)

(出典:Big Think)

 

現在、世界人口ランキングのトップを争うのが中国とインド。これまで人口が爆発的に増えてきた前者ですが、2022年7月時点で人口は14億2589万人となり、若干の減少が見られるようになりました。日本と同様に、中国でも少子高齢化が進み、労働人口が減少していることから、これから人口がどんどん減少していくと見られています。

 

それに対して、インドは2023年に中国を抜いて世界トップになる見込み。2063年頃に16億9698万人に達すると、その後は減少していくと予測されており、結果的に2100年時点での人口は中国が約5億人、インドは約10億人になるそうです。

 

また、中国やインドと共にBRICS(近年、著しい経済成長を遂げたブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5か国を指す)を構成するロシアは、世界で最も面積の大きい国であるものの、人口は1億4580万人と世界第9位。インドの東側にあるバングラデシュの人口(1億6700万人)よりも少ないのです。バングラデシュでは人口が増加傾向にあるのに対し、ロシアは少子化が進み、両国の差は今後さらに開くものと考えられます。

 

もっとヒトに投資を

一方、国連は、2050年までに増加が見込まれる世界人口の半数超が8か国――コンゴ、エジプト、エチオピア、インド、ナイジェリア、パキスタン、フィリピン、タンザニア――に集中すると見ており、その過半数をサハラ以南のアフリカ諸国が占めると予想しています。

 

とはいえ、サハラ以南アフリカの大半の国々とアジア、南米、カリブ諸国の一部では最近、出生率が減少したようで、それによって生産年齢人口(25歳から64歳の間)の割合が増加。この変化は一人当たりの経済成長を加速する機会(専門用語で「人口ボーナス」と呼ばれる)をもたらすそうですが、その利益を最大化するためには「人的資本のさらなる開発に投資すべき」と国連は説き、ヘルスケアや質の高い教育へのアクセス、雇用を促進することが必要だと述べています。

 

日本は世界一の高齢化社会であるものの、世界人口の増加はアジアに集中。サハラ以南のアフリカを含めて、両大陸の人口の動向から目が離せません。

 

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