世界中でエネルギー価格が高騰する一方、化石燃料に頼らない、再生可能エネルギー確保の重要性が叫ばれています。そんななか、インドのナレンドラ・モディ首相は先日、グジャラート州にあるモデラで「太陽光発電100%の村」が誕生したと高らかに宣言しました。インド初となる太陽光で成り立つ村は、どのようになっているのでしょうか?
モデラは、グジャラート州の州都であるガンジナガールから約100㎞離れた場所にある小さな村。ここに中央政府と州政府が80.66億ルピー(約145億円※)を投じて、1300台以上のソーラーパネルを住宅の屋根に設置しました。さらに近くのサジャンプラ村には12ヘクタール分の土地を確保し、バッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)を導入。このBESSは、ソーラーパネルで発電した電力を貯蔵できるシステムで、太陽光発電には欠かせない存在です。これらの設備により、日中はソーラーパネルから、夜間や曇りの日にはBESSから電力が供給され、住民はそれを利用することができるのです。
※1ルピー=約1.8円で換算(2022年10月17日現在)
また、村の中にはソーラーエネルギーによる電気自動車の充電ステーションも設けられたそう。村の住民は正真正銘、太陽光から得たエネルギーだけで生活できるようになるのです。従来、この村には政府が電力を供給していたそうですが、今後、住民は電気代を60%〜100%減らすことができるとされているうえ、さらにソーラーパネルで得た電力を売って収入を得ることも可能。モディ首相は「モデラ村の住民は、電力を消費する立場であると同時に、電力を生産する立場でもある。ぜひ電気を売って、収入を得てほしい」と呼びかけました。
モデラ村があるグジャラート州は、年間を通して雨が少なく、冬の間はほとんどの日が晴れているそう。夏はモンスーンの季節ですが、日差しは強く、気温が40度以上になる猛暑日が多くなります。そんな気候は太陽光発電に適していると言えるのでしょう。
インドでは、2030年までに太陽光発電などの再生可能エネルギーを500ギガワットまで導入し、2070年までには温室効果ガスの排出をネットゼロ(正味ゼロ)にする目標を掲げています。その中でインド初の太陽光発電の村の存在は、モデルケースとして今後ますます注目を集めていくことでしょう。
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