機材レポート

「16-85ミリVR」は微妙? 「18-55ミリVR」は明快!?『AF-S DXニッコール18-55ミリF3.5-5.6G VR』

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そういえば、昨年のD3とD300の発売に合わせて(?)、それ以降に発売されるレンズって、製品名やその表記が変わったよネ。ズームニッコールの「ズーム」は省略して、「ED」はニッコールの前から開放F値の後になって、「VR」はDXの後ろからいちばん後ろになって…。あ~、面倒くさい!!(苦笑)

 前回話した「ボディも欲しいけど、まずはコッチを買うかも」という気分になった『AF-S DXニッコール18-55ミリF3.5-5.6G VR』。ええ、D60と同じ2月22日発売予定の“お手頃・手ブレ補正搭載・標準ズーム”でございます。そして、同じ日にもう1本“手ブレ補正搭載・標準ズーム”が発売予定だよね「AF-S DXニッコール16-85ミリF3.5-5.6G ED VR」。18-55ミリに搭載されるVR機構は通常版(?)だけど、この16-85ミリに搭載されるのは進化版(ブレ補正効果がシャッター約4段分で、通常版よりも1段分高い)の「VRⅡ」。しかも、画質にこだわったEDレンズ仕様である。

 …って言われてもなぁ~。焦点距離や開放F値の仕様が、ビミョ~なんだよなぁ。しかも、けっこうイイお値段だし…。正直なところ、コレを買う予算があったら、もう少し頑張って「1万円弱」プラスして「AF-S DX VR ズームニッコールED18-200ミリF3.5-5.6G」買うだろうね。ズーム両端の開放F値が同じで、望遠側が充実してるから。

 もちろん、広角側の“2ミリの差”は無視できないし(35ミリ判換算だと、16ミリは24ミリ相当になり、18ミリは27ミリ相当になる)、そこを重視する人だと、今回の16-85ミリは魅力的に映る製品かもしれない。でも、いくら「VRⅡ」を搭載するとはいえ、焦点距離が16-85ミリで開放F値「F3.5-5.6」は、少し寂しくないかい? メーカー希望小売価格「約10万円」、大手量販店の実売価格「約8万円」のレンズだよ。この焦点距離なら、悪くても「F3.5-4.5」の明るさは確保して欲しいよなぁ~。

 …ということで、大手量販店の実売価格「約3万円」の18-55ミリF3.5-5.6G VRは、お値段相当か、それ以上の機能&仕様に思えるんですわ。まあ、先日の実写では、さほど“描写性能チェック”を意識して撮ってないので、その点については詳しく述べることはできない。でも、手元に残った約200カットの画像をざっとチェックしても、特に描写に関する不満は感じなかったけどネ。それと、18-55ミリは最短撮影距離が0.28㍍と短いのも魅力。最短が0.5㍍前後の製品と比べると、広角域での“被写体に踏み込んだ撮影”に差がでるんだよねー。ちなみに、16-85ミリの最短は0.38㍍で、18-200ミリの最短は0.5㍍である。

 この『AF-S DXニッコール18-55ミリF3.5-5.6G VR』、手ブレ補正機構を内蔵しているせいもあり、部分的にちょっと“おデブちゃん”なのよ(笑)。だから、D60のようなコンパクトなボディに装着すると、レンズの太さが少し気になってくる。もちろん、使用上は何の問題もないんだけど、ボディとのバランスを考えると「D300との組み合わせも悪くないかも?」と思ったりもする。えっ、そんなコトはD300買ってから考えろって?(苦笑)

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温室内のオウムちゃん。あっ、動いたからブレちゃったヨ。もう少しISO感度を上げれば良かったかな? でも、VRのおかげでカメラ側はブレてない。 ◆ニコンD60 AF-S DXニッコール18-55ミリF3.5-5.6G VR(55ミリで撮影) Pモード f5.6 1/15秒 WB晴天 ISO100 JPEG(L/FINEで撮影)

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白壁の向こうの木の細かい部分が、とてもシャープに描写されている(オリジナルの原寸サイズで見せられないのが残念)。また、強烈に反射する金属の箱が画面中央にあるが、その影響を感じさせないヌケの良い描写である。 ◆ニコンD60 AF-S DXニッコール18-55ミリF3.5-5.6G VR(18ミリで撮影) AUTOモード f9 1/320秒 AWB ISO100 JPEG(L/FINEで撮影)