機材レポート

注目のパンケーキレンズで春の花々を撮る…『ZUIKO DIGITAL 25ミリF2.8』

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薄さが強調されることが多い『ZUIKO DIGITAL 25ミリF2.8』だが、正面からのルックスも好印象。小さな前玉が粋!!

 世界最薄・軽量の「オリンパスE-420」と同時に発表されたパンケーキレンズ『ZUIKO DIGITAL 25ミリF2.8』。その注目度の高さは、E-420ボディよりも上…かもしれない。こういった小振りな薄型レンズは、小型で軽量なボディを“より軽快に感じさせてくれる”貴重なアイテムだからね。そう、E-420との組み合わせだけでなく、従来のE-410やE-510ユーザーにとっても、非常に魅力的な存在なのだなー。

 全長23.5㍉という値は、AFレンズとしては薄い部類に入るが、ペンタックスのDA40ミリF2.8リミテッドには及ばない(全長15㍉)。でも、重さはDA40ミリより5㌘重いだけの95㌘。材質の違いはあるが、この100㌘を切る数値は立派である。ちなみに、DA40ミリは約60ミリ相当の画角になるが、ZUIKO DIGITAL 25ミリはちょうど50ミリ相当の画角になる(※いずれも35ミリ判換算で)。「どっちが良くて、どっちが悪い」という問題ではないが「標準レンズ」として捉えるなら、50ミリ相当の方が気分的にしっくりくる人が多いのでは?

 気になるのは、操作性や描写だけど…う~ん、極めてフツーかな(笑)。いや、これは否定的な意味でなく、肯定的な意味に取って欲しいのよ。というのも、パンケーキレンズで“フツーに扱える”って、けっこう難しいことだから。ほら、全長が短いレンズって、カメラをホールドした際に指を添えにくかったり、MF時にフォーカスリングが操作しにくかったりするでしょ? そういった不満は、ZUIKO DIGITAL 25ミリには、あまり感じられなかった。レンズ全長からすると、フォーカスリングの幅も意外と広いから。でも、それは“非回転部分が狭い”ことでもあるから、レンズ交換時に握れる部分が狭くて操作しにくい…という弊害もあるけどね。まあ、そう深刻な問題でもないけどサ。

 あとは「F2.8」という開放F値をどう評価するか?…だね。他のレンズは携行せず“常に装着するレンズ”と捉えるなら問題はない。でも、14-42ミリF3.5-5.6などのコンパクトな標準ズームと併用するには微妙な存在かも…。このズームの25ミリ時の開放F値は「4.7」を示すから、それよりは約1段半明るい。でも、画角から考えると、大きなボケ効果が期待できる数値でもないんだよなぁ~。

 まあ、あまり深くは考えまい(笑)。コンパクトな標準ズーム以上に“軽快に扱える組み合わせ”が実現するんだから。レンズ交換はあまり考えず、基本的には「この25ミリだけで楽しむ!」というスタンスで使うのがイイのかもねー。

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最短撮影距離は0.2㍍と短いので、ちょっとしたマクロ的な撮影が楽しめる。ま、こういったゴチャゴチャした絵柄だと、あまり大きなボケ効果は期待できないけど…。
◆オリンパスE-420 ZUIKO DIGITAL 25ミリF2.8 Aモード f2.8 1/1600秒 +0.7補正 AWB ISO100 JPEG

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上の白梅の手前にあった花壇のナノハナ。白梅までの距離がけっこうあったので、割と大きなボケ効果が得られた。上の写真と同様、絞りは開放だけど、フォーカス部は十分にシャープ!
◆オリンパスE-420 ZUIKO DIGITAL 25ミリF2.8 Aモード f2.8 1/1600秒 +0.3補正 AWB ISO100 JPEG

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E-420の大きなウリ「ハイスピードイメージャAF」機能を使って、下向きに咲くクリスマスローズの花を、ローポジション&ローアングル撮影でとらえた。
◆オリンパスE-420 ZUIKO DIGITAL 25ミリF2.8 Aモード f2.8 1/1000秒 +0.7補正 AWB ISO100 JPEG

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梅園の風景。「標準の中の標準」である50ミリ相当の画角は、目の前の風景やモノを自然に切り取ることができる画角。その応用範囲は非常に広い。
◆オリンパスE-420 ZUIKO DIGITAL 25ミリF2.8 Aモード f8 1/200秒 AWB ISO100 JPEG

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梅園内の紅梅の枝に接近! 「最短距離付近+絞り開放」というアプローチにより、狙った枝の花を、周囲の風景から浮かび上がらせることができた。逆光ぎみの花弁の透明感が印象的。
◆オリンパスE-420 ZUIKO DIGITAL 25ミリF2.8 Aモード f2.8 1/1250秒 +0.3補正 AWB ISO100 JPEG