それほど望遠にウエイトを置かない撮影でも、コンパクトな望遠ズームを携行しておけば、いざと言う時に重宝する。このDA50-200ミリF4-5.6EDは、サイズや重さが“コンパクト標準ズーム”並なので、たとえ出番がなくても負担に感じることはない。
どちらかと言うと、ボクは「広角派」のカメラマンだけど、それだけに望遠レンズの選択には気を使う。どんなに高性能な製品でも、携帯性が良くないレンズや、1㌔を超えるような重いレンズはイヤなのである。そんなタイプのカメラマンだから、以前持っていたC社やN社の大口径望遠ズームはいつの間にか手放してしまった…。
その反面、コンパクトタイプの望遠ズームにも満足していない。操作フィーリングや描写性能に問題を感じる製品が少なくないから。「望遠はあまり使わないから、コンパクトズームが1本あれば便利かも」。そう思って購入して「ああ、やっぱりダメだわ」と何度もガッカリさせられた。だから、大口径ズームよりは小さくて軽く、コンパクト望遠ズームとは違う描写(画質やボケ効果)が得られる135ミリや180ミリの単焦点望遠レンズを選ぶことになる。
でも、今回購入した『ペンタックスDA50-200ミリF4-5.6ED』は、前回に述べたように、以前仕事で使って「意外とよく写るナァ」と感心した覚えがある製品。もちろん、高性能な大口径ズームの基準で見たら(チェックしたら)多少はアマいかもしれないが、フツーに無難に写ればOK! 値段も3万円前後で手頃だったし。その辺のこだわりのなさが広角派(笑)。
あ、このレンズは操作感もイイんだよね。特にズームリングが絶妙!! 重すぎず軽すぎず、適度な“ねっとり感”のある操作フィーリングに感心する。でもって、高倍率ズームのように上下に向けてズルズル伸び縮みすることもない(個体差はあるかもしれないが)。そう、この手の安価なコンパクト望遠ズームにそこまで期待してなかったぶん、ちょっと感心しちゃったナ。また、AF/MF切り替え機構「クイックシフト・フォーカス・システム」を搭載する「DAレンズ」なので、AFからMFへの移行もスピーディーで快適だしね。
望遠の圧縮効果とボケ効果を利用して撮影。ピントを合わせた部分のシャープさも、その背後のボケ味も、「まずまず良好」という印象を受けた。 ◆ペンタックスK200D DA50-200ミリF4-5.6ED(200ミリで撮影) Aモード f8 1/250秒 AWB ISO100 JPEG