ニコンD300(現行機種はD300S)のような「APS-Cサイズのフラッグシップモデル」と呼べる高性能&高品位モデルが欲しい…という多くのEOSユーザーの声に応えて(?)登場した『キヤノンEOS7D』。D300シリーズがシャープ感が漂うデザイン(ペンタ部あたりが顕著)なのに対して、このEOS7Dのデザインは対照的にソフトな感じが漂う。まあ、どっちのデザインが良いとか悪いとかの話じゃないけど(そういう部分を基準に選ぶカメラでもないし)、全体のフォルムの印象は、50DよりKissX3とかの方が近いかも…。
しかし、実際に手にすると「ああ、やっぱり50Dの上位モデルなんだナァ」と実感する。まず、重みが違う! 500㌘以下のX3は言うに及ばず、同じマグネシウム合金製の50Dよりも100㌘近く重い「820㌘」だからねぇ。当然、しっかりとホールドした時の“剛性感”もかなり高い。
…でもって、APS-Cサイズながら「約1800画素」という非常に高画素なCMOSセンサーを搭載し、ボディ単体で「最高約8コマ/秒」という驚きの高速連写を達成!! いやぁ~、このあたりのスペックだけ見ても、キャッチフレーズどおり「IMAGE MONSTER」ですわ。少し残念なのは、画質モードが「RAW+L」の際の連続撮影枚数が「6枚」と少ない点。ただし、手持ちの「UDMA対応・300x」CFカードで試してみたところ、6枚切れた後に“一瞬”止まって、またすぐに数枚撮影できたけど(全部で9枚くらい)。
EOS7Dと同時に発売された、新しい標準ズーム「EF-S15-85ミリF3.5-5.6 IS USM」も、かなりイイ感じに仕上がっている。独特な形状をしたズームリングの操作性も良好。キヤノンのAPS-Cサイズセンサーは、ニコンなどに比べるとわずかに小さいから、広角端が18ミリのレンズだと、ちょっとワイド感が弱くなる(35ミリ判換算で29ミリ弱)。その点、15ミリまでカバーしている本レンズなら「24ミリ相当」の画角が得られるのだなー。そんでもって、描写性能もかなりイイ感じだった。約1800万画素という高画素でシビアにチェックされる条件ながら、近距離撮影とかでも十分シャープな描写が得られたからネ。
◆キヤノンEOS7D EF-S15-85ミリF3.5-5.6 IS USM(19ミリで撮影) Aモード F11 1/15秒 WB太陽光 ISO200
◆キヤノンEOS7D EF-S15-85ミリF3.5-5.6 IS USM(85ミリで撮影) Aモード F5.6 1/125秒 +0.7補正 WB太陽光 ISO200