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【夏の花の素敵な撮り方①】ハナショウブ、スイレンの上級テクニック

全国的に、梅雨のジメジメした天候が本格化しております。雨という自然の恵みを身にまとった色とりどりの花々が、私たちを魅了してくれています。そんな花々をより素敵に撮影する上級テクニックを、今回はご紹介いたします。

 

梅雨時は曇天の青い光を盛夏では強い光を生かして作画しよう

夏の花々は、梅雨時期と盛夏では種類が異なります。アジサイやハナショウブなどの梅雨の花は、青っぽい色の花が多く、雨天時特有の青い光とよく合います。雨の日の撮影は億劫に感じられますが、水滴をのせた花の姿は特別な美しさがあります。そして盛夏になると、山地の花も咲き競い、夏山や湿原も可憐な花々であふれます。また、夏の強い日差しのもと、黄色いじゅうたんを敷いたようなヒマワリ畑は毎年でも撮りたい被写体です。

 

ハナショウブ×フレーミング

日中の水面は茶色だが夕方は低い光でオレンジ色に輝く

ハナショウブは水が張られた菖蒲田に咲く。 日中は茶色い土が見えるので、水面を入れてフレーミングするのは避けたいが、夕方になって低い光が斜めから差し込むと、水面がオレンジ色に輝いた。花びらもほんのりとオレンジ色に染まって、梅雨の晴れ間を楽しんでいるようだ。

100ミリ相当 絞り優先オート(F2.5 1/640秒) +0.7補正 ISO100 WB:晴天

 

スイレン×映り込み

映り込みは無風で水面の揺らぎないときに撮る

スイレンは水面に咲くので、映り込みを生かした撮影が楽しめる。この日は風が穏やかだったので水面が揺らぐことなく、鏡のように花が映り込んでいた。少し高い位置から見下ろし、映り込んだ花に太陽の映り込みを重ねている。ギラギラとした夏の日差しで硬い調子に見えるので、ソフト効果をかけて幻想的な世界を作り出した。

140ミリ相当 絞り優先オート(F2.8 1/5000秒) +0.3補正 ISO200 WB:3700K フィルター機能:ファンタジックフォーカス

 

梅雨時期の淡い花を素敵に撮る方法は、“梅雨らしさ”を表現すること。雨の合間の晴れ間を表現したり、雨のにおいが感じられるような表現をしたり、撮影者それぞれの感性で、数々のテクニックを使用して、花々の素敵な一瞬を撮りたいですね。

 

写真・解説/吉住志穂