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【星と月の撮影の基本①】星空撮影にあると便利な機材は?

星空のきれいな景色(星景)を見ると撮影したくなるもの。カメラが好きな人にとって、一度は挑戦してみたい!被写体です。星や月、惑星など撮りたい気持ちはあるのだけれど、「難しい!」「真っ暗!」「星が映らない!」など撮影方法の悩みは尽きません。これから流星群や皆既月食、火星の接近など、天体撮影では、イベントも盛りだくさん。カメラを通してきれいに撮る方法やテクニックをご紹介いたしましょう。

星空風景(星景)や星座を撮るのか、月や惑星、星雲・星団などを拡大撮影するのかで必要な機材は異なります。星景ならマニュアル撮影が可能なカメラとレンズ、そして三脚とレリーズがあれば大丈夫です。三脚にカメラを固定して長時間露光すれば、比較的簡単に美しい星空を軌跡として捉えられます。まずは手持ちの機材で始めてみて、必要に応じて単焦点レンズや高感度に強いカメラを用意するとよいでしょう。

星空だけなら望遠鏡は必要ありませんが、月や惑星などをアップで捉えるには天体望遠鏡や赤道儀といった専門的な機材が必要になります。赤道儀は長時間露光で星を点像で捉える際に使います。望遠鏡を利用した天体撮影は、 機材の性能が画質に直結するシビアな世界であり、専門的な知識のほか、機材の運搬には車が不可欠です。

 

・カメラレンズ:高感度に強い一眼カメラがベター


広角レンズは開放F値の明るいものを。


望遠レンズは焦点距離が長いほど、月をアップで撮れる。

 

星の撮影ではマニュアル露出やマニュアルでのピント合わせを行える一眼カメラが必要だ。高感度に強いカメラなら、短時間露光で星を写し止める撮影にも向いている。星空を広く捉えるには広角レンズが適しており、開放F値の明るい大口径レンズが星空撮影にはベストである。一方、月を大きく撮るなら望遠レンズが必要となる。最低200ミリ以上はほしい。

 

・三脚・レリーズ:頑丈な三脚と自由雲台が使いやすい


風で揺れたり、倒れたりしない三脚を選ぼう。


星景撮影ではタイマー付きのレリーズが便利。

 

夜の撮影は、数秒から数時間にわたる長時間露光となるため、三脚は欠かせない。風で揺れたり、倒れたりすることのないように、なるべく頑丈な三脚を選びたい。また、レンズを空に向けることが多いため、パーン棒が邪魔にならない自由雲台が使いやすい。星景撮影ではバルブで長時間露光をするため、タイマー付きのレリーズを使用すると便利だ。

 

・赤道儀:星や月を写し止めるための必須アイテム

地球の自転により、星や月は刻々と夜空を動いてゆくように見える。通常、長時間露光をすると星は軌跡となって流れてゆくが、星の動きに合わせて追尾する赤道儀を使うと、長時間露光でも星を点像として捉えることができる。月は明るいので必ずしも赤道儀が必要なわけではないが、アップにした月を追い続けるには赤道儀があると便利だ。


スリック ECH-630 希望小売価格/5万7900円(税別)

大小2つの北極星のぞき穴を使って極軸を合わせれば、簡単に星や月を自動追尾してくれる。軽量コンパクトなので、広角レンズを使った長時間露光で星空を点像で捉えるような撮影に使いやすい。


Vixen AP-ED81SⅡ・SM 希望小売価格/28万9500円(税別)

焦点距離625ミリ、F7.7のEDガラスを用いた天体撮影に適した屈折望遠鏡と自動追尾機能のついた赤道儀のセット。別売りのカメラアダプターを併用することで、月や惑星をアップで捉えることができる。

 

・その他:夜空撮影にあると便利なアイテム



星の光をにじませるソフトフィルター。


移動時や手元の作業に便利なヘッドライト。


パーマセルはレンズの誤作動防止に活用する。

 

夜空の撮影でも、被写体の違いで必要な機材も変わってきます。必要に応じて、レンズやカメラ、その他の機材などを用意していきましょう。

 

写真・解説/秦 達夫