特集

【星景の素敵な撮り方】大切なポイントは、周囲の情景をとり入れること

星景写真は星だけでなく周囲の情景も大切。デジタル機能も積極的に使っていこう

星景写真は天体写真ではありません。だから、星だけでなく、積極的に周囲の情景を取り入れながら撮影しましょう。それによって星景写真の表現の幅を広げていくことができます。その一例が夜景の取り込みです。ここでは街の上に雲がかかり、その雲が照らされて光っている写真を掲載しています。また、デジタルならではの機能を積極的に使っていくことで、より華やかな星景写真を生み出すことができます。

 

【星景×夜景】

下弦の月に照らされた富士山と街の夜景、そして星空を絡めて撮る

8月、下弦の月の日を選んで河口湖近くの御坂峠にやって来た。ここは富士山撮影スポットとして有名で、車を脇に止めて撮影できる。8月に訪れたのは、富士山の登山者が描くライトの軌跡と星を絡めて撮るためだ。下弦の月の日だけあって、やや月明かりが強くて星の数は減ってしまうが、明るい星だけは浮かび上がってくる。そして、街明かりが低層の雲に反射してにぎやかな作品になった。星景撮影は天体写真とは違うので、風景写真と同じで気候の変化への対応と、臨機応変な考え方で撮影していくと世界観が広がっていく。

28ミリ相当 シャッター速度優先オート(F5.6 30秒) ISO400 WB:太陽光

 

【星景×比較明合成】

ライトアップされた校舎の露出も考えながら軌跡を狙う

この日は盆踊り大会が催され、祭りが終わっても木造校舎がライトアップされていた。そこで、校舎越しに星空を撮影。通常の長時間露光ではライトアップされた校舎はオーバーになってしまうが、オリンパスのライブコンポジット機能を使うと、校舎を写し取りながら星の軌跡も捉えることができる。軌跡だけを狙うなら、通常はISO200、F2.8、60秒×60回で行うが、ここでは校舎の露出も考慮して、ISO100、 F2.8、30秒×120回で撮影した。

24ミリ相当 ライブコンポジット(F2.8 30秒×120回) ISO100 WB:太陽光

 

星景写真では、周囲の情景をとり入れてこそ、星空をきれいに表現することが可能になります。さらにデジタルカメラならではの高度な機能も利用して、華やかな写真を撮ってみましょう。

 

 
写真・解説/秦 達夫