エプソンが運営する「エプソンイメージングギャラリー エプサイト」では、写真展やコンテストなどに応募する人が増加する一方、「展示したいが、やり方がわかりません」「プリントしたいがうまくできません」などの声が多く寄せられているそうだ。そこで、「写真とプリントがより上達して、もっと楽しくなってもらう」ために開催されるのが、エプサイト初の企画展「プリント解体新書 -写真力を高めるプリントの秘密-」だ。
「写真をプリント作品にするということ」コーナーでは、写頁家が何をどう考えて実践しているのか、ワークフロ一を公開。岡嶋和幸さんの作品「九十九里」を事例に、セレクト、用紙選び、レタッチなど作品完成までの過程における考え方を紹介している。
内覧会に登場した岡嶋和幸さん。「最近は写真撮影にもまして、こうしたプリントや額装などの表現により興味が出てきています」
「完成した結果しか普段は見せないのですが、インデックスプリントを切ってセレクトしたり並び順を考えたりと、試行錯誤することに作品作りの面白みがあります」と岡嶋さん。
「プリントワーク」コーナーでは写真家・須田誠さんの作品「We are Cubano!」を事例に、写真家の意図をいかにしてプリントに表現するか、そのアプローチの一例を公開している。レタッチの指定と、実際に仕上がった作品を見比べることができる。
「用紙」コーナーでは、写真の表現力をさらに高める「用紙」について、実際にエプソンおよび他社用紙を展示しながら、それらの特長や魅力、選び方のポイントなどを紹介している。一同に並んだサンプルで紙の白や、黒インクの締まり具合の違いなどを見ることができる。
そのほか、額装や飾り方の事例、インクジェットプリントで制作された作品集やポートフォリオの事例などを多数展示している。
清水哲郎さんのロール紙での展示例。こんな風に、作品を形にするヒントが満載の展示になっている。
企画展の会期中は、会場でトーク&イベントも開催。写真のセレクトから用紙選び、展示方法など、プリントの完成に至るまでの役立つ情報・ノウハウが山盛りなので、この機会にぜひ見に行こう!
トーク:太田睦子
写真家がステップアップする軌跡や取り組みについて、雑誌、写真集、展覧会、企業とのアートプロジェクトを通じて多くの若手写真家とかかわりのある『IMA』エディトリアルディレクター・太田さんが、具体的な事例を交えて紹介する。参加無料、予約不要。
日時 2018年6月23日(土)15:00~(1時間程度)
トーク:須田誠
写真家・須田誠さんによるアーティストトーク。世界を旅し、2017年秋に写真集『GIFT from Cuba』を発表したストリートスナップの名手が、写真・被写体・モノづくりに対する自身の哲学を語る。参加無料、予約不要。
日時 2018年7月7日(土)15:00~(1時間程度)
ワークショップ:岡嶋和幸「プリントで挑戦!はじめてのフォトコンテスト -応募作品をつくってみよう-」
写真家・岡嶋和幸さんによる特別ワークショップ。岡嶋さんのアドバイスを受けながら、時間内にセレクトからプリントを行ない、実際にコンテストに応募するプリント作品を制作する。参加無料、要予約。
日時 2018年7月14日(土)14:00~(3時間程度)
定員 10名
申し込み 2018年6月24日(日)23:59までにWEBサイトの専用フォームより。
https://www.epson.jp/katsuyou/photo/taiken/epsite/info/gallerytalk_201806.htm
プリント解体新書 -写真力を高めるプリントの秘密-
会 期 2018年6月22日(金)~7月19日(木)
会 場 エプソンイメージングギャラリー エプサイト
住 所 東東京都新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビル1階
時 間 10:30~18:00(最終日は14:00まで)
休館日 日曜
料 金 無料
アクセス
東京メトロ丸の内線 西新宿駅2番出口より徒歩4分
都営大江戸線 都庁前駅A1出口より徒歩2分
JR/小田急線/京王線 新宿駅西口より徒歩8分
問い合わせ エプサイト(TEL 03-3345-9881)
〈写真・文〉稲葉利二