特集

【飛行機の撮り方④】飛行機を優美に写す7つの撮影ポイント

今まで一度も撮影したことがない人でもイチからスタートできる飛行機撮影の要点を、達人 ルーク・オザワさんに教えていただきました。

 

「飛行機撮影は一度やったらやめられないほど魅力的。まずは身近な空港に足を運んでみよう」
まずは望遠ズームとカメラを持って、手近な飛行場に出かけてみよう。飛び立ち、舞い降りる姿のカッコよさを感じたら、その魅力的な姿を写し止める撮影にチャレンジ。きっと飛行機撮影の面白さを、すぐに実感してもらえると思う。

 

旅客機を優美に写す方法には、7つのポイントがありました。4回に分けて、ご紹介いたします。

1回目の【飛行機の撮り方①】飛行機を優美に写す7つの撮影ポイントでは、
「おすすめ撮影スポット」と、「撮影時のカメラの設定のポイント」について、
2回目では、【飛行機の撮り方②】飛行機を優美に写す7つの撮影ポイントでは、
「ピントの合わせ方」と、「いい光の捉え方」について
前回3回目では、【飛行機の撮り方③】飛行機を優美に写す7つの撮影ポイントでは、
「狙い目のタイミング」と、「おすすめの機材」について、ご紹介いたしました。

今回が4回目の最後の回になります。

 

 

 

Q7.さらにワンランク上の飛行機写真を撮りたいときのアプローチ法は?

 

-Answer-

周りの風景を生かしたり「流し撮り」など多様な狙いで撮ってみよう

 

撮影に少し自信がついてきたら、ステップアップして、いろいろな狙い方で飛行機撮影を楽しんでみよう。例えば飛行機がいる場所の情景を広めに取り入れてみたり、雨の日ならばライトの反射が美しい夜の滑走路を生かしてみたり。そして、やはりチャレンジしてみたいのが「流し撮り」だ。少し速めのシャッタースピード(1/125秒など)から徐々に遅くしていって、流すコツを体得していこう。ポイントは、離陸シーンならば飛行機が浮き上がっていくので、その動きにうまくシンクロして流すこと。何度も練習して流し撮りの達人を目指してみよう。

 

【夕景】 夕景も町の風景を広く取り入れるとさらに情感深いシーンに描ける

 

同じ夕景シーンの撮影だが機体を画面いっぱいに撮ったカット(上)に対して、少しワイドで周辺の風景を取り入れて撮ったのが(下)のカットだ。工業地帯の夕景という雰囲気の中で飛行機を情感をもって写し取れた。

キヤノンEOS 7D MarkⅡ EF100~400ミリF4.5-5.6L IS Ⅱ USM 絞り優先オート F5.6 1/200秒 -2補正 ISO800 WB:オート

 

 

【雨】 雨の日は滑走路の光の反射が美しい 

 

雨に濡れた夜の滑走路は、外部灯や誘導灯などの反射が美しい。高感度を生かしてぜひ撮影してみたい。

キヤノンEOS 7D MarkⅡ EF100~400ミリF4.5-5.6L IS Ⅱ USM 絞り優先オート F5.6 1/10秒 -0.7補正 ISO10000 WB:オート

 

 

【流し撮り】機体の浮き上がりにシンクロして流す

× 上への動きにシンクロできなかった例

 

○機体の浮き上がりにシンクロできた例

 

離陸する飛行機を流し撮りする場合、浮き上がっていく機体に「シンクロ」するようにレンズを振って流すことがポイントだ。

キヤノンEOS 7D MarkⅡ EF100~400ミリF4.5-5.6L IS Ⅱ USM 絞り優先オート F13 1/30秒 +0.3補正 ISO100 WB:オート(下の写真)

 

 

流し撮りを極めれば夜間の流し撮りも可能に

 

夜間に離陸する飛行機を流し撮りした1枚。ファインダーでも機体がよく見えないくらいの状況だが、長年鍛えた勘によりベストの瞬間を流して撮ることに成功した。

キヤノンEOS 7D MarkⅡ EF100~400ミリF4.5-5.6L IS Ⅱ USM 絞り優先オート F5.6 1/30秒 ISO25600 WB:オート

 

 

まとめ

飛行機を見ているときのワクワク感を大事に撮ろう

 

今回は飛行機撮影の入門からのポイントを紹介したが、重要なのはやはり「大空を飛ぶ美しい翼」の美しさを感じ取ることだろう。いろいろな光の中で、その機体がどんなふうに見えるのかを観察し、カメラ・レンズを活用して捉えてみてはいかがだろうか。

 

 

 

Profile

達人 ルーク・オザワ

1959年2月 東京生まれ。ヒコーキと向き合って45年、今や航空写真第一人者。風景とヒコーキをシンクロさせた情景的ヒコーキ写真を確立。時に神がかり的な絵創りは見る者に感動を与えている。著書に『JETLINER』シリーズ(イカロス出版)、『ルーク・オザワのヒコーキ写真の撮り方』(誠文堂新光社)がある。

 

撮影:ルーク・オザワ