ビルやタワーなどの展望室、もしくは山頂にある展望台といった場所からはきらびやかな夜景も狙うことができます。ここでは、そんな美しい展望夜景に特化した撮り方をご紹介いたします。
人と違った展望夜景を撮るのは難しい。基本を押さえたうえで、さらなる工夫を
展望夜景は被写体自体が華やかなので、三脚を使ってガラスの映り込みに注意しながら撮影すれば、比較的容易にきれいな写真は撮れます。しかし言いかえれば、撮影場所が限られているため、そこにさえ行けば誰でも同じようにきれいな夜景が撮れるということ。ほかの人よりもいい写真、もしくは人とは違った展望夜景が撮りたいのであれば、これまで紹介した基本と応用のテクニックを押さえつつ、さらなる工夫が必要です。
【展望夜景×天候】
空気が澄んでいるので奥まで鮮明に描写できた
俯瞰で撮る展望夜景では、彼方まで街明かりのキラキラが見渡せる、いわゆるヌケのよい日が最適だ。そのうえで構図に配慮して、街明かりで埋め尽くそう。新宿の都庁展望室からこの写真を撮った日は、右奥のスカイツリーのはるか先まで見通せ、東京の夜景を緻密な写真に仕上げることができた。
24ミリ相当 絞り優先オート(F11 8秒) +0.3補正 ISO320 WB:白色蛍光灯
【展望夜景×仕上がり設定】
仕上がり設定「風景」を選んで彩度をアップさせる
写真全体の色味はホワイトバランスで調整するが、仕上がり設定によっても描写は変わる。これは秩父盆地の雲海夜景。肉眼ではこれよりはるかに暗く、色合いも地味だったが、プラス1.7のプラス補正を行って明るくしている。さらに仕上がり設定を「風景」モードにしたことで彩度が上がり、見栄えがよくなった。
263ミリ相当 絞り優先オート(F11 4秒) +1.7補正 ISO6400 WB:オート
【展望夜景×人物】
人物のシルエット描写を入れて鑑賞者の想像をかき立てる
街の夜景のほかにも、さまざまな展望夜景写真にも挑戦してみよう。観光スポットのような展望室や展望台では人が多い。それを逆手に取ると、人物を画面のアクセントに取り込める。カップルや家族連れなどをシルエットで入れると、ストーリー性が出て効果的だ。
58ミリ相当 絞り優先オート(F6.3 1秒) -1補正 ISO2000 WB:白色蛍光灯
展望夜景は、撮影場所が限られているため、そこに行けば、誰でも同じ夜景撮影が可能です。ですので、いかに人と違った写真を撮るかがカギになります。これまでの撮影テクニックなどを組み合わせて、独自性のある個性あふれる展望夜景の撮影を試みてみましょう。