紅葉シーズンがまもなくスタートする。撮影に出掛ける前に、紅葉撮影に必要な機材から基本となるカメラ設定、撮り方までをこの記事でチェックしよう。そして、基本をマスターしたら実践だ。より紅葉が映える構図や鮮やかな色の引き出し方をマスターして、オススメ撮影スポットにでかけよう。
紅葉撮影の超キホン
軽装備でも撮影可能だがPLは必需品
◎ 一眼カメラ
◎ 標準ズームレンズ
○ 超広角レンズ
○ 望遠ズームレンズ
△ マクロレンズ
○ 三脚
○ レリーズ
◎ PL フィルター
※◎必要 ○あると便利 △余裕があれば
紅葉撮影の初心者なら、まずは一眼カメラと標準ズームレンズ1本を用意しよう。標準ズームの画角は肉眼で見たときの視野に近いため、神社仏閣や庭園、公園などの箱庭的な紅葉風景を、目で見たときの印象に近く捉えることができる。また、比較的コンパクトな製品が多いので、登山や旅行に持っていくのにもおすすめだ。
山岳エリアなど広々とした紅葉風景を狙うには、広角レンズと望遠レンズが欲しくなる。広角レンズは広がりや遠近感を生かした撮影を楽しめるが、あれもこれもと欲張ってフレーミングすると散漫になりやすい。主役となる紅葉に近づいて、大きく捉えることを意識しよう。遠くのものを引き寄せられる望遠レンズは、紅葉の迫力ある姿を捉えるのに有効だ。紅葉の樹形を生かしたり、鮮やかな部分を切り取ったりすることができる。
17ミリ相当 絞り優先オート(F16 1/5秒) ISO100 WB:5000K
135ミリ相当 絞り優先オート(F11 1/40秒) ISO200 WB:晴天
また、紅葉についた水滴や霜をまとって色づいた落葉などをアップにするならマクロレンズの出番。しかし、軽装で出掛けたいのであれば、これは省いてもいいだろう。ステップアップのつもりで挑戦してみてほしい。
そして、紅葉の鮮やかさや青空の深さを引き出すのに欠かせないのがPLフィルターである。紅葉の表面反射を取り除くことで、紅葉の深みのある色を表現できる。曇天や雨天時にも白い空を映して紅葉は白くテカリがちなので、晴天時以外でも積極的に使用したい。その際は、ファインダーをのぞきながらフィルター枠を回転させ、効果を調整しながら使うこと。
晴天時の紅葉は光も強くて、手持ち撮影でも対応できるが、曇天や雨天時は暗くなりがちなので三脚が欲しい。PCで画面全体を見ていると問題なくても、拡大してみるとブレやピンボケに気づくことは多い。特に朝夕やライトアップ下の撮影では、ブレを防ぐための三脚とレリーズは必須だ。
PL無
PL有
PLフィルターを使うことで青空に深みが増すだけでなく、紅葉の鮮やかさもアップすることができた。晴天時の風景撮影では青空の深みが濃くなるようにPLフィルターを回転させて効果を調整する。メリハリのある紅葉風景に仕上げるのに欠かせないフィルターだ。
写真・解説/深澤 武