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【雪景色撮影の超攻略術④】“光の向き”を選んで、雪景色を印象的に仕上げよう!

2018年平成最後の冬、風景としての雪、スナップとしての雪、「雪」でも様々な撮影描写ができます。今回は、被写体としての「雪」を撮るテクニックの数々をご紹介いたします。

雪景色撮影は、当たり前ですが画面の中に雪の白が多いということに注意が必要になります。ホワイトバランス、露出、構図、光という項目ごとに、白い被写体を印象深く表現するための基本テクニックはもちろんのこと、寒さ対策、スノーレジャー、寒冷地での撮影機材のトラブル対策など、冬の撮影で必要な知識を盛りだくさんにご紹介していきます。

 

 

基本テクニック

BASIC.4 光線状態を生かして印象的に仕上げよう

平面的になりがちな雪景色を撮るなら、立体感の出るサイド光や斜光線がおすすめだ。天気が良ければ雪面に描かれた影を生かすこともできる。逆光線のときは、手前に伸びる影だけでなく、舞い散る雪のきらめきを画面に取り入れて印象的に仕上げられる。

 

太陽が雲に隠れてしまうと、光が弱いため影はほとんど目立たない。木をアクセントにしても平面的で単調に感じられる。

逆光

雪面に描かれた影によりメリハリを出す
光が差すと雪面に木の影が現れてメリハリが出る。木の影が手前に伸びる逆光線は、広い雪面を生き生きとした姿で捉えるのに適している。森の傾斜感と奥行きも感じられる仕上がりだ。

110ミリ相当 絞り優先オート(F16 1/250秒) 補正なし ISO200 WB:晴天

 

 

構図の工夫と光の選択で雪景色の単調さを避ける

あらゆる撮影と同様に、光の向きも大切な要素です。特に冬は太陽の位置が低く、トップライトとなることはないので、斜光やサイド光、逆光で撮影するチャンスが多いのです。正面から光が当たって影の出ない順光で撮影すると、空の青さや雪の白さは際立ちますが、立体感が感じられず、雪景色撮影の最大のハードルである単調な印象から抜け出しにくいのです。

一方で、被写体にしっかりと光が当たり、なおかつ適度な影が出る斜光やサイド光なら、一面の雪景色でもその凹凸が際立ちます。また、暗い部分を背景にしつつ逆光で降雪を撮影すれば、透過光に輝く雪を印象的に捉えられます。
 

 

逆光

逆光線で暗い森に降雪を引き立たせる
雪が舞うところに光が差し込み、降雪がドラマチックに輝き始めた。暗い森を背景にして逆光線で狙うことが、降雪を写真で格好良く捉えるコツである。マイナス補正をしてシャドー部を引き締め、雪の白色を引き立てている。

200ミリ相当 絞り優先オート(F16 1/640秒) -1.3補正 ISO100 WB:晴天

 

 

順光

冬らしいサイド光で風景を立体的に描き出す
サイド光により樹氷の森に適度な影が生じ、立体的に描き出すことができた。単調になりがちな雪面だが、木立の影を生かすことで冬らしい低い光が感じられるようになった。

18ミリ相当 絞り優先オート(F16 1/500秒) -0.7補正 ISO200 WB:晴天

 

 

写真・解説/深澤武