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これが360°カメラの頂点だ!こだわりが詰まったハイエンドモデル「RICOH THETA Z1」

リコーとリコーイメージングは、2019年2月25日に都内で発表会を開催し、ワンショットで360°の静止画や動画を撮影できる360°カメラ「RICOH THETA Z1」を発表した。カラーはブラックのみで、発売は2019年3月下旬の予定。価格はオープン。リコーイメージングのオンラインストア価格は126,900円(税込)となっており、すでに予約の受付が開始されている。「RICOH THETA Z1」 は、「GR III」とともに CP+2019のリコーイメージングブースで先行展示される。

<2021.3.11> 51GBモデル発売。
<2019.4.12> 発売日が2019年5月24日(金)に決定。

RICOH THETA Z1

 

「RICOH THETA(リコー・シータ)Z1」は、リコーがこれまでのカメラ開発で培ってきた光学技術や画像処理技術を駆使し、高画質・高品質を追求したTHETAシリーズのフラッグシップモデル。1.0型の裏面照射型CMOSイメージセンサーにより約2300万画素相当(6720×3360ピクセル)の高品質な360°の静止画、4K相当(3840×1920ピクセル)の動画撮影を実現する。

新設計のレンズユニットに加え、画像処理アルゴリズムを一新。また新たにRAWデータの記録ができるようになったほか、多段階の絞り機構を搭載し、HDR合成機能をはじめ、インターバル合成機能や最大19個の設定で連続撮影するマルチブラケット撮影など、多彩な撮影モードによって、表現の幅も大きく広がるものとなっている。静止画(JPEG形式)で約2400枚の撮影ができる約19GBの内蔵メモリーに画像を記録する方式は変わっていない(「RICOH THETA V」は約4800枚)。

RICOH THETA Z1

 
株式会社リコー Smart Vision事業本部長の大谷渉氏は、カメラメーカーとしての誇りと遊び心も持って開発に挑み、現時点での最高のものを目指したと強い自信を見せた。

RICOH THETA Z1

 

「RICOH THETA Z1」は、「RICOH THETA V」よりもひとまわり大型のボディとなっているものの、デザインはこれまでのものを踏襲。ボディ素材には軽量で堅牢性の高いマグネシウム合金を採用し、高級感のあるものとなっている。

 
■大型センサーと新開発のレンズユニットを搭載
従来機で要望の多かった画質の向上は、1.0型の裏面照射型CMOSイメージセンサー、新レンズのユニットの搭載によるところが大きい。有効画素数約2000万画素のユニット2基が搭載され、静止画の出力画素で約2300万画素に相当する高精細な360°の静止画を得ることができる。

レンズユニットにはリコー独自の3回屈曲構造技術が採用されていて、イメージセンサーを大型化しながらも厚さ24mmの薄型ボディを実現。新設計のレンズユニットにより、画像に影響を与えるゴースト、フレア、パープルフリンジが効果的に抑制されている。

RICOH THETA Z1

発表会場では、新開発のレンズユニット、内部の構造がわかるスケルトンモデルが展示され、コンパクトなボディにぎっしりと詰まった様子が見てとれた。

RICOH THETA Z1

 
RICOH THETA Z1

▲「RICOH THETA Z1」に搭載の1.0型のCMOSイメージセンサー(左)。右の「RICOH THETA V」に搭載の1/2.3型CMOSイメージセンサーに比べるとその大きさの違いは一目瞭然。画素数が増えただけでなく画素ピッチも大きくなっているので、画質も大幅に向上している。

 
最高ISO6400の高感度撮影に対応。「RICOH THETA V」よりもノイズ軽減が図られており、夜間や薄暗い室内での撮影に強みを発揮するとしている。新たに絞り機構が搭載されており、F2.1 / F3.5 / F5.6の3段階から絞り値の選択が可能だ。シャッタースピードは最速1/25000秒の高速撮影ができる。

 

■新画像処理アルゴリズムとシーンに合わせた撮影モード搭載
画像処理のアルゴリズムが一新されたことも画質向上の要因の一つ。これにより、低ノイズで解像感の高い画像が得られるようになった。また、通常撮影時には自動でDR(ダイナミックレンジ)補正を行い、屋外で明暗差がある場所でも白飛びが抑えられる。

「HDR合成機能」をはじめ、星の光跡の記録などに使える「インターバル合成機能」、最大19個の設定で連続撮影する「マルチブラケット撮影」など、多彩な撮影モードが搭載されている。

 

■最新の手ブレ補正技術を採用した高画質(4K相当)な360°の動画撮影
動画撮影時には新たに回転3軸補正を加えた高精度の手ブレ補正を搭載する。静止画撮影時には手ブレ補正は行われない。動画は、4K相当(3840×1920ピクセル)で30fpsの高精細で滑らかな360°動画撮影が可能となっている。また露出設定にAv(絞り優先自動露出)、Tv(シャッター優先自動露出)、ISO(ISO感度優先自動露出)、M(マニュアル)を追加し、よりきめ細かな設定での動画撮影ができるようになった点も大きな進化だ。

カメラ本体には、360°の空間音声記録に対応した4chマイクを内蔵し、水平方向だけでなく上下方向も含めた全方位の音声を記録可能となっている。

 

■わかりやすいユーザーインターフェース
本体下部に撮影情報を表示する0.93型の有機EL(OLED)パネルをシリーズで初搭載。また操作ボタンはボディ側面に集中配置されている。

RICOH THETA Z1

 
従来はスマートフォンやタブレットに接続しないとわからなかった電池残量や撮影モード、撮影残り枚数、F値やISO感度値などの撮影情報が、カメラ単体でも確認できるようになっている。数値の表示のみなので、画像の確認はできないものの、操作性は大きく向上する。

RICOH THETA Z1

 
■RAWファイル形式に対応し、編集の楽しみが向上
「RICOH THETA Z1」 は、JPEGに加えてRAW(Adobe DNG形式)+JPEG形式での保存が可でき、画像は大きく向上する。通常のカメラで撮影した画像と同様に、色味や画質の編集が可能になる。スティッチングができるアプリ「RICOH THETA Stitcher」は Adobe Photoshop Lightroomのプラグインとして無償提供される。

会場では、RAWで記録したファイルを現像した後、プラグインで繋ぎ目のわからない全天球画像を生成するデモンストレーションが行われていた。天頂補正、方位補正、スティッチング時の距離指定の詳細を自由に変更することができる。

 
RICOH THETA Z1

▲左がJPEG画像、右がRAW画像。RAW現像時にWBなどの調整が可能だ。

 
RICOH THETA Z1

▲Adobe Photoshop Lightroomで表示した「RICOH THETA Z1」の画像。

 
RICOH THETA Z1

▲プラグインアプリ「RICOH THETA Stitcher」では、ステッチングの方式のほか天頂補正、正面位置調整などが可能。

 
RICOH THETA Z1

▲「RICOH THETA Stitcher」でステッチングした画像。継ぎ目はほとんどわからない。

 
■多彩な共有方法
360°映像の「リモート再生機能」をプラグインとして搭載されており、対応するワイヤレスディスプレイアダプターなどの汎用受信機器を利用して、カメラ内に記録した360°の静止画、動画データを転送、ミラーリング再生することが可能だ。Wifi、Bluetooth接続が可能となっており、ティザー撮影はできないものの記録画像はすぐに転送可能となっている。

 
■堅牢で高級感のあるデザイン
ボディ素材には軽量かつ堅牢性の高いマグネシウム合金を採用。表面にはシボ塗装が施され、高級感のある質感となっている。三脚ネジ穴は金属製となっており、外部接続用のコネクタはUSB Type-Cが採用されている。

RICOH THETA Z1

RICOH THETA Z1

 
■アップデートやプラグインによる優れた拡張性
「RICOH THETA Z1」 は、「RICOH THETA V」(2017年発売)と同様の「Qualcomm Snapdragon」とAndroidベースのオペレーティングシステムを採用する。ファームウェアアップデートによって、継続的に機能拡張・性能向上が行われる。さらに、リコーの純正プラグインのほか、サードパーティ製の各種プラグインを導入することで、さまざまな拡張機能を利用することもできる。撮影者が映り込みを避けることが可能となる新プラグイン「Time-shift Shooting(レンズ別時間差撮影)」は、2019年3月にリリース予定となっている。

 
■アクセサリー
THETA Z1用「セミハードケース TS-2」のオンラインストア直販価格は3,780円(税込)。THETA Z1用「レンズキャップ TL-2」のオンラインストア直販価格は1,944円(税込)。いずれも2019年3月下旬発売予定となっている。

セミハードケース TS-2

▲セミハードケース TS-2。

 
レンズキャップ TL-2/TL-1

▲左がレンズキャップ TL-2。右は「RICOH THETA V / SC」用のレンズキャップ TL-1(2019年3月8日発売)。

 

 

■RICOH THETA Z1 主な仕様

撮像素子 1.0型(×2)
レンズ構成 10群14枚
F値 F2.1 / 3.5 / 5.6
ISO感度 ISO 80~6400
最短撮影距離 約40cm
画像ファイル形式 [静止画]RAW、JPEG [動画]MP4
記録媒体 内蔵メモリー 約19GB
外部インターフェース USB Type-C(USB3.0)
サイズ(幅×高さ×奥行き) 48×132.5×29.7mm(レンズ部を除く奥行き 24mm)
質量 約182g
付属品 USBケーブル、専用ケース
 

 
〈文〉柴田 誠