鈴木一雄さんが写真集『サクラニイキル』を上梓した。
桜が多くの人の心を捉えるのはなぜか。艶やかな色香を持ちながらも、花びら自体は小ぶりで、数日経つと散り始める。その儚さが日本人の心情に合うのだろう。華やぐ想いにも哀しみにも応えてくれる花なのだ。
鈴木さんは毎年、全国の桜を訪ねて撮影を試みる。2018年は九州から北海道まで67か所を巡ったという。旅は計画的に組むことはなく、旅先で耳にした情報や偶然の出会いに委ねるらしい。そうした偶発性が新鮮なイメージを手繰り寄せる。
■鈴木一雄写真集『サクラニイキル』
250×260mm・128ページ
本体 3,300円(税別)
2019年3月1日発売
風景写真出版
〈文〉市井康延