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レフ版やマクロレンズを使って一味違った料理写真に!【料理&スイーツ写真プロの一眼テクニック④】

スマホでの料理撮影のポイントとして取り上げた「ピント、明るさ、光、構図」は一眼カメラでの撮影時も同様に大切である。これらを料理撮影の基礎として踏まえつつ、さらに一眼カメラの特徴に注目し、細かな設定やレンズの選択を行おう。本企画では、4回にわけて一眼カメラを使ってより見栄えよく写すプロの技を紹介する。第4回は「アイテムの活用法」について解説する。

 

料理&スイーツ写真の一眼テクニック
① まずは一眼カメラとスマホの違いを知るべし! https://getnavi.jp/capa/special/295026/
② ディナーの雰囲気を生かして撮影するには? https://getnavi.jp/capa/special/295031/
③ 光の当て方で「シズル感」が大きく変わる!? https://getnavi.jp/capa/special/295035/

 

手前が暗いときはレフ板を使って明るくする

料理は半逆光気味に撮るのがいいが、ケーキなど立体的な被写体では手前側の暗さが目立ってしまう。そんなときはレフ板を使って、陰になった部分を明るくしよう。レフ板とは光を反射させるための写真用品で、板や布でできている。しかし、レストランでレフ板を広げるのは気が引けるという人もいるだろう。そんなときは、白い紙やおしぼり、紙ナプキンなどをレフ板代わりに使おう。色があると影響するので、必ず白い物を使うこと。

 

使い方は下の写真のように、光が入る方向と向かい合うようにレフ板を置くというのが基本。すると、入った光がレフ板に反射して、陰を照らすという具合だ。光が強いときは離して置き、弱いときは近づけるといった具合に距離で反射光の強弱を調整するといい。角度もいろいろ変えながら、ベストな位置を決める。あまり強く当てると不自然なので、レフ板を使ったのがわからないぐらいなのが理想だ。これは一眼カメラに限らず、スマホでも使えるテクニックなので、ぜひ試してほしい。

<レフ板活用例>


右から光が入ってくるので、その反対側にレフ板を置いた。レフ板に光が反射して、ケーキの手前側をほんのりと明るく照らしている。


左がレフ板ナシ、右がレフ板あり。この2枚を比べると、レフ板の効果は一目瞭然。右はケーキの陰になった部分だけが明るくなっているのがわかるだろう。露出補正では写真全体が明るくなってしまうが、レフ板を使うとケーキの上部分や背景はそのままに、手前の側面だけを明るくすることができる。

 

マクロレンズを使ってアップで撮るのも面白い

一眼カメラはレンズを交換できるのも醍醐味のひとつ。料理を撮るなら、撮影距離がほどよく、お店でも座ったまま撮影ができる標準から中望遠程度のレンズがおすすめだ。このとき、料理全体をくっきり写すと説明的になりがちなので、単焦点レンズで背景を大きくぼかしたり、ポイントになるような食材にマクロレンズで迫ったりしてみよう。写真のバリエーションも増えるし、ひと味違った目を引く写真になる。

 

単焦点レンズは絞りの開放値が明るく、ぼかしやすいのが特徴。ズームはできないので、被写体の大きさは自分で寄り引きしながら決める。また、クローズアップするときはマクロレンズが有効だ。かなり近づいてもピントが合うので、被写体を大きく写すことができるし、アップで撮ることで背景のボケをより大きく作り出せる。ツヤのある食材を選べば、素材の質感もより伝えられる。いろいろなレンズで写りの違いを楽しんでみよう。

 

<単焦点レンズ>

単焦点レンズは絞り値を小さくできるので、背景をぼかしやすいのがメリット。また絞り値を小さくするとシャッター速度が速くなり、薄暗い室内でもぶれにくい。ISO感度を抑えてシャープに撮ることができる。

 

<マクロレンズ>

標準マクロを使って、フルーツタルトのイチゴをクローズアップ。通常のレンズではピントが合わないような近距離でもピントが合う。アップで捉えたことによって、ピントを合わせたイチゴのみずみずしさも伝わってくる。