丹野清志さんの単行本『気ままに、デジタルモノクロ写真入門』が発売された。
モノクロ写真は現実を抽象化し、写真として別の世界を作り出す行為だ。モノクロの目が養われると、新たな写真の楽しみが立ち上がってくる。そのためにデジカメをモノクロモードにして撮ろうと丹野さんは誘う。「影を作る光を読む」感覚は、撮って見ることでしか身につかないからだ。
長年、街歩き写真を撮ってきた丹野さんの作例が随所に紹介され、興味をそそる。写真史から撮影テクニック、プリントまでを語り、最後にはデジタルと並行したフィルム撮影のススメを説く。
■丹野清志『気ままに、デジタルモノクロ写真入門』
四六判・224ページ
本体 1,400円(税別)
2019年5月16日発売
ナツメ社
〈文〉市井康延