DJIは、ミラーレスカメラ用片手持ち3軸ジンバルの新製品「Ronin-SC(S Compact)」を2019年7月17日に発売した。価格は「Ronin-SC」標準版が51,300円(税込)、Focusホイールや外付けFocusモーター、RSS(リモートスタート/ストップ)スプリッターが付属する「Ronin-SC Proコンボ」が62,100円(税込)。
■ミラーレスカメラ用の軽量コンパクトモデル
「Ronin-SC」は、ミラーレスカメラ用に開発された片手持ち3軸ジンバル(スタビライザー)で、一眼レフにも対応する「Ronin-S」のパワフルな技術を踏襲しながら、さらに軽量でコンパクトになったモデル。素材にマグネシウム/スチール/アルミニウム/複合プラスチックなどの耐久性のある高強度素材を採用し、重さは1.1kg。「Ronin-S」と比べると41%の軽量化を実現している。また強力な高性能モーターにより、積載量(試験時)は最大2.0kgまで対応し、専用バッテリーで最大動作時間は11時間となっている。
「Ronin-S」と同様に、反応性の高いジョイスティックでジンバル動作を制御し、モード(M)ボタンと前部にあるトリガーボタンを使用して、さまざまなモードに切り替えたり、ジンバル設定を変更することできる。
「Ronin-SC」は、「Ronin-S」ユーザーからのフィードバックをもとにパン軸/チルト軸/ロール軸の3軸ロックなどの新しい設計を実現。運搬後に再度撮影を行う場面などで、カメラのバランス調整が簡易化されるようになっている。さらに「Ronin-SC」では、新しいポジションロックシステムを採用。ジンバルのバランス調整が完了していれば、再度カメラを取り付ける際に、すぐに作業を開始することができる。
■アプリを刷新
刷新されたRoninアプリでは、最大3つのカスタムプロファイルを設定できる。モーター出力などのさまざまな設定を調整し、バランステストを実行してカメラシステムが正しく設定されているかを確認することができる。
ユーザーに好評の機能「Roll 360」の設定は、カスタムプロファイルの1つに保存が可能だ。また、モード(M)ボタンを長押しすることでスポーツモードに切り替わり、ジンバルの反応速度を速めることができる。
■新機能
「Ronin-SC」は、「Ronin-S」と同様の機能に加え、「Force Mobile」や「ActiveTrack 3.0」といったクリエイティブな活動に生かせる新機能を搭載している。
「Force Mobile」は、接続したモバイル端末の動作を「Ronin-SC」ジンバルと同期させ、カメラワークとジンバル操作を分担して、手軽に没入感のある撮影を体験できる新機能。Bluetooth接続で、約25m先からでもジンバルの動きを操作することが可能だ。
「ActiveTrack 3.0」は、被写体を選択することにより、ジンバルがその被写体を正確に追従する機能。新しくなったアルゴリズムにはディープラーニングや人物認識に対する最適化計算が組み込まれている。一部のDJIドローンやOsmoシリーズで使用されている技術と同様に、スマートフォンのカメラビューを使用して、この情報を「Ronin-SC」に送信する。スマートフォンをカメラのホットシュー上部に取り付け、「Roninアプリ」上から被写体を選択することで、被写体を自動フォローする。
■その他の機能
このほか、バーチャルジョイスティックを使用してジンバル動作をリモートで制御でき、タイムラプス、タイムラプスに動きの要素を追加したモーションラプス、最大10点まで選択可能なモーションコントロール、パノラマ撮影などに対応する。
■アクセサリー
軽量化された外付けFocusモーター、コマンドユニット、DJI Force Pro、DJI Master Wheelsなど、さまざまなDJIアクセサリーや他社製アクセサリーなどに対応する。
■DJI Ronin-SC 主な仕様
最大バッテリー駆動時間 11時間
最大積載重量(試験値) 2.0kg
サイズ 折りたたみ時 220×200×75mm、展開時 370×165×150 mm
重量 ジンバル 約830g、BG18グリップ 約258g、三脚 約160g
〈文〉柴田 誠